大和ハウスとフジタ、花粉対策空間「リフレッシュエアルーム」開発:製品動向
大和ハウス工業とフジタは、エアシャワーと室内コーティングを組み合せた花粉対策空間「リフレッシュエアルーム」を開発した。販売価格は税込198万円で、導入対象はホテル、商業施設、事務所など。
大和ハウス工業とフジタは、エアシャワーと室内コーティングを組み合せた花粉対策空間「リフレッシュエアルーム」を開発したことを発表した。同商品はフジタグループ会社の藤田商事が2023年1月1日から販売開始している。主な販売対象はホテル、商業施設、事務所など。
新開発のエアシャワーは、ホテルや商業施設などのエントランスやエレベーターホールに設置することを想定した設備だ。花粉が衣服に付着する原因となる静電気を除去することで、弱い風でも衣服に付着した花粉などを取り除くことが可能になる。また、エアシャワーで吹き飛ばした花粉などは、壁や床に施した光触媒コーティングにより不活化することで空気の清浄化を図る。
工場などに導入されるエアシャワーは、台風並みの風(秒速約25メートル)を約20秒間当てることで付着した花粉などを落とすが、音が大きく衣類も乱れることから商業施設やホテルなどでの利用には適していなかった。
「リフレッシュエアルーム」では、弱風で衣類に付着した花粉などを取り除くことができるエアシャワーを開発。静電気を除去できるシャープのプラズマクラスターを採用し、秒速約18メートルの風を5秒間当てると衣類に付着する花粉を約80%取り除く。エアシャワー内には吸音材を採用し、装置内の機器構成を工夫することで静音性も高めた。
エアシャワーにより飛散し、衣服から取り除くことができず客室内などに持ち込まれる花粉対策として「吸着性光触媒コーティング」を採用した。東京環境アレルギー研究所によって、スギ花粉のアレル物質の作用を99.4%減少することが確認されたコーティング材となる。
両者はホテルへの導入検証や奈良県立医科大学との共同研究などを既に実施しているが、「リフレッシュエアルーム」による効果を医学的にさらに確認するため、スギ花粉が多くなる2月にも共同研究を実施する計画だ。
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