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西松建設が地熱発電事業に参入、熊本・小国町で温泉バイナリー発電所の運営を開始:産業動向
西松建設は、地熱発電事業の第1号案件として、熊本県阿蘇郡小国町で温泉バイナリー発電所の運営を開始した。
西松建設は2023年1月17日、熊本県小国町で地熱発電事業の取り組みを開始したと明らかにした。
地熱発電事業は、石松農園が所有していた温泉バイナリー発電所の事業を西松建設が譲り受けて運営することとなった。温泉バイナリー発電所は、温泉井戸の余剰蒸気を有効活用する発電所で、定格出力は49kw/h。
発電所は西松建設の地熱発電事業の第1号案件として、地域と共存する地熱発電所の開発/運営のノウハウを取得するとともに、さらなる地熱開発事業の推進を図るためのパイロット事業的な施設と位置付けている。
西松建設は、脱炭素で持続可能な社会の実現への取り組みを本格化させることを「中期経営計画2023」に掲げ、再生可能エネルギー事業に取り組んできた。地下の地熱エネルギーを使う地熱発電は、再生可能エネルギーの中でも天候に左右されず、安定的にエネルギーを供給できるベースロード電源で、長期間にわたる供給が期待される。
また、エコ・ファースト企業としても「2030年度のCO2排出量ネットゼロ」の達成を掲げている。今後も、脱炭素社会の実現に向けて、地域社会を構築するさまざまなステークホルダーに寄り添いながら、地域の課題解決に取り組むと表明している。
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