衛星ブロードバンド活用のauエリア構築ソリューションを清水建設が採用:現場管理
清水建設は、KDDIが提供する衛星ブロードバンドインターネット「Starlink」を活用したauエリア構築ソリューション「Satellite Mobile Link」を採用、鉄道・運輸機構発注の北海道新幹線、渡島トンネル(上二股)工区で運用を開始した。
清水建設は、KDDIが提供する衛星ブロードバンドインターネット「Starlink」を活用した、auエリア構築ソリューション「Satellite Mobile Link」を採用した。2022年12月19日より、同社が鉄道・運輸機構から受注した北海道新幹線、渡島トンネル(上二股)工区で運用開始した。Satellite Mobile Linkは、法人企業や自治体向けにStarlinkをバックホール回線として利用したau基地局ソリューションである。
Starlinkにより、携帯電話による音声通話の他、建設現場と事務所、本支店間の進捗管理におけるタブレット端末を利用した大容量データをより円滑に安定して伝送でき、情報伝達の効率性・即時性が向上できるとしている。また、建設現場のDX化の進展により、作業の高効率化から働き方改革の推進にもつながり、従業員満足度向上も期待できるという。
一般的に山間部の建設現場では、光ファイバー敷設は大規模工事となるため通信環境整備が困難であり、携帯電話利用や図面の電子化および現場監視用の映像伝送ができないなど、建設現場のDXが進められないことが課題となっていた。
今回の設置場所となった、現場も携帯電話の通信エリア外であるため、通信可能なエリアまで10分かけて移動し、携帯電話を利用しなければならない状況にあった。また、工事現場ではさまざまな機器を同時に接続するため、効率的、かつ快適な業務環境実現のために、高速で安定した新たな通信設備の構築が必要であった。
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