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古民家でデジタルツインバースシステムの実証実験を開始:メタバース
大成建設、石見銀山群言堂およびワントゥーテンは、古民家にて現実空間と仮想空間との相互共有が可能な「デジタルツインバースシステム」を構築した。3社は、同システムを用いた実証実験を開始する。
大成建設、石見銀山群言堂およびワントゥーテンは2022年11月16日、現実空間と仮想空間との相互共有が可能な「デジタルツインバースシステム」を古民家で構築したと発表した。3社は、同システムを用いた実証実験を開始する。
大成建設は、石見銀山群言堂が保有する築約260年の古民家「鄙舎」を実測してBIMモデルを作成し、建物運用管理ソリューション「Life Cycle OS」を用いて鄙舎のデジタルツイン「バーチャルひなや」を構築した。
また、ワントゥーテンが開発したデジタルツインとAI(人工知能)エージェント統合ソリューション「QURIOS」にバーチャルひなやのデータを提供。位置や映像、音声などさまざまな情報において、鄙舎とバーチャルひなや間でリアルタイムでの相互共有が可能なデジタルツインバースを構築した。
身体的感覚を伴った情報を共有することにより、対面で直接会話をしているかのようなライブ感を持たせることが可能となっている。
今後は、2027年の石見銀山開山500年および世界遺産登録20周年に合わせて、同実験で得た仮想空間における空間体験設計の知見を活用した石見銀山全体への展開を予定している。具体的には、同銀山の街道約80メートルのデジタルツイン構築などを計画している。
また、全国各地の地方創生やさまざまなワークショップ、商品説明などにも適用可能とすべく、検証を継続する。
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