三井住友建設と日立ソリューションズ、「ラクカメラ」でアワード受賞:維持管理
三井住友建設と日立ソリューションズは、リアルタイム鉄筋出来形自動検測システム「ラクカメラ」を共同開発し、ASOCIOが開催する「2022 ASOCIO Tech Excellence Award」で受賞した。
三井住友建設と日立ソリューションズは、ASOCIO(アジア・オセアニアコンピュータ産業機構)が開催する「2022 ASOCIO Tech Excellence Award」において、優れたIT技術を提供する企業として「Outstanding Tech Company Award」を受賞した。リアルタイム鉄筋出来形自動検測システム「ラクカメラ」を共同開発したことに対し、国際的に通用するシステムを創造する企業として評価された。
ラクカメラは、デプスカメラ(奥行きの情報を取得する深度センサーがついた)を接続したタブレットを用いて鉄筋を撮影すると、計測対象の鉄筋本数と配筋間隔、鉄筋径を自動計測することが可能になるシステム。計測結果をクラウドの帳票生成サービスに送信すると、帳票と写真台帳を自動作成する。同システムにより、従来の計測方法に対して施工管理者が検測作業に拘束される時間が3分の1程度に縮小できるという。
国土交通省では、内閣府の官民研究開発投資拡大プログラム(通称:PRISM)の一環として、2018年度より「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」に取り組んでいる。鉄筋出来形検測は事前準備や手動による計測、帳票作成に多くの手間と時間を費やすため業界でも省力化が求められる業務の1つだった。
鉄筋出来形検測における一連の作業省力化を念頭に、両社は共同で同システムを開発に取り組んできた。その結果、国土交通省から2020年度の「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」に採択され最高位のA評価を獲得している。
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