インフラメンテンス作業点検用の安全教育VRのレンタルを開始、アクティオ:製品動向
アクティオは、西日本高速道路エンジニアリング九州とともに、建設現場向けの安全教育システム「Safety Training System VR of AKTIO インフラメンテンス作業点検 VR」のレンタルを展開している。なお、今回のVRは、2021年9月に開発した高速道路インフラメンテンス作業点検VRに続く製品となる。
アクティオは、西日本高速道路エンジニアリング九州とともに、建設現場向けの安全教育システム「Safety Training System VR of AKTIO インフラメンテンス作業点検 VR」を開発し、2022年10月25日にレンタルをスタートした。
4つの事故体験シナリオを用意
両社は、現場での死亡事故ゼロに向けて、ICTやIoTを活用した安全教育システムの開発を推進している。こういった取り組みの一環として、Safety Training System VR of AKTIO インフラメンテンス作業点検 VRを開発した。
今回のVRシステムは、VRヘッドマウント「StarVR ONE」やHTC製の「Steam VR BaseStation2.0」、コントローラー、歩行VRデバイス「Virtuix Omni」、Leap Motion製のモーションコントローラーで構成される。
具体的には、インフラメンテンス作業の点検に特化したシステムで、高画質5K解像度の映像で危険をリアルに体感できる。また、事故体験シナリオとして、墜落編の「はしご作業」と「情報板作業」や感電編の「ポンプ取り換え」、接触編の「車両後退」といった4つのVR映像を用意している。
墜落編のはしご作業では、電気室におけるダクトのチェック作業で、はしごを固定せず安全確認を怠り、はしごから墜落する事故を体験できる。墜落編の情報板作業では、情報板の点検作業で、安全帯を付けず、強風に煽(あお)られて墜落する事故を体感可能。
感電編のポンプ取り換えでは、常設型ポンプの取り換え作業で、検電確認を実施せず取り換えポンプを誤って触り感電する事故を経験する。接触編の車両後退では、駐車場への駐車で、誘導員が不在のなか、車両を後退し、発生する接触事故を感じられる。
なお、アクティオ社員の立ち合いと同意書への署名が必要となるが、感電体験装置(1〜3ミリアンペア)をオプションとして用意している。
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