リアルなVR体験に新シミュレーション追加、バックホウでの4つの事故を体験:建設×VR/AR/MR
アクティオは、2018年から展開している建設現場の事故0を目指すVRレンタルサービスに、バックホウによる不安全行動を体験できるシミュレーションを2019年8月に追加する。バックホウによる横転、旋回での巻き込みなどの4つの事故を体験できる。
アクティオは2019年5月21日、新安全教育システム「Safety Training System of ACTIO(セーフティートレーニングオブアクティオ) バックホウ編」を2019年8月からサービスを開始すると発表した。
荷吊り状態での過速度旋回による横転事故
同システムは、バックホウによる荷吊り状態での過速度旋回による横転事故、バックホウの旋回に巻き込まれ被災する事故、バック走行時に後方の人に気付かず巻き込む事故、鉄板の端を踏み反対の鉄板が持ち上がり被災する4つの不安全行動を体験できる。
バックホウによる横転事故と旋回に巻き込まれる事故は特に多いという。横転事故に関して「特に若手のオペレーターが、バックホウの運転に慣れたころに、通常クレーンモードで旋回を行わなければいけないところ、スピードが上がる掘削モードで旋回し、横転するというケースを多く聞く」(同社)。
使用するVR機器は、従来のVRヘッドマウント、ヘッドフォン、PC、専用カメラ×2台、三脚に加え、専用コントローラー2台で構成される。
VRヘッドマウントは、ディスプレイ解像度1600万画素に210度の視野角を搭載した「STARVR ONE(スターブイアールワン)」を採用している。同製品の広い視野と高画質の映像により、従来の視野角110度のVRで発生したVR酔いや主流での没入感の問題を解決している。
2019年5月21日にアクティオ本社で行われた実演デモでは、バックホウの横転と旋回での巻き込みのVR体験を披露。被験者が、バックホウによる横転事故の映像の際に、リアルさのため、その場で現実によろめく光景も見られた。
なお、現在販売価格などは未定。
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