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【第3回】AIが周辺の物件情報と比較して、消費者に響くコメントを自動生成する不動産テックITで変わる、不動産業界の現在と未来(3)(2/2 ページ)

連載3回目は、2020年12月にアットホームが実装し、AIを活用して業務効率化と不動産業務のDX推進を支援する「アピールコメント自動生成」を採り上げます。インターネットで住まい探しをする際、物件紹介ページに物件の魅力や特徴が書かれている「おすすめコメント」をご覧になったことはありますか?今回は、そのコメントをAIで自動作成する機能の開発背景やこだわりなどを説明します。

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業務負担の軽減だけでなく、新たな物件特徴の発見にも寄与

 新機能をリリース後、不動産会社を対象に利用意向に関するアンケート調査を実施したところ、「1件作成あたり、どの程度時間を削減できますか?」の設問では、「1件あたり平均8分かかっていた登録作業が削減できました」との回答を得られました。また、機能を使用したことがある人に対して、「今後、コメント生成機能を利用すると思いますか?」と質問すると、約7割が「また利用したい」と答え、継続利用の意向が高い結果となりました。


提供:アットホーム

 さらに、「また利用したいと思った理由」を聞くと、「時間が短縮できるから」が79.1%、「考える負担が減る」が75.1%と上位を占め、業務負荷の軽減につながることが継続理由として多く挙がりました。


提供:アットホーム

 ほかにも、「語彙や表現の引き出しが増える」が45.8%で、不動産会社から「業務時間の短縮はもちろん、自分では気付けなかったポイントや言い回しなど参考になった」「新入社員の教育などの場面でも役立つと確信している」との声が寄せられ、その汎用性の高さは筆者としても新たな発見でした。

今後の機能拡張では、コメントの精度向上やバリエーション追加

 2020年12月の機能実装時点では、これまでコメントを作成するのに時間を割けなかった不動産会社へ、まず機能を認知してもらうことが最初の目的でした。

 今後の機能拡張では、画像情報のコメント化やバリエーションを追加し、コメントの精度を上げ、さらなる利用者の増加を狙っていきます。さらに追加で、間取り図や周辺環境を読み込み、周りの物件と比較した物件固有の特徴などをコメントにするような機能のバージョンアップも検討しています。

 引き続き、アピールコメント自動生成の機能をはじめ、不動産テックによって、不動産会社の業務負担につながることはもちろん、消費者にとってもスマートな住まい探しの環境提供を追求していきます。

著者Profile

大武 義隆/Yoshitaka Ootake

アットホームラボ 執行役員 アドバンストテクノロジー部 部長。アットホームに入社後、営業職・企画職などに従事。2019年5月にアットホームのAI開発・データ分析部門より独立発足したアットホームラボの設立に伴い、現職。テクノロジー部門を統括し、不動産分野の課題解決に適したさまざまなAIモデルの企画を担当。

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