ZEHでも室温を低下させずに換気と除湿が行えるルームエアコンを発売、ダイキン工業:製品動向(2/2 ページ)
ダイキン工業は、高気密化と高断熱化が図られたZEHなどの住宅でも、室温を低下させずに換気と除湿が行える新型のルームエアコン「うるさらX」を2022年11月1日に発売する。
しつどクリーン運転で部屋内の湿度を50%以下に保ちカビの繁殖を抑制
そこで、新型のうるさらXでは、業界最大レベルの除湿量を達成する「パワフル除湿運転」が行えるだけでなく、加湿・換気性能を強化し、清潔性対策でエアコン内部の排水経路に「銀イオン抗菌剤」を備えた。さらに、新機能として、パワフルな除湿で低湿度環境をキープしつつ、カビの繁殖を抑制する「しつどクリーン運転」を搭載し、従来モデルも完備している「しずか」モードの運転音を10%低減した。
具体的には、新型では、従来機と同様に多段階電子膨張弁を実装し、除湿のモードを可変する「リニアハイブリッド方式」を実現して、空調の負荷に合わせて熱交温度を可変させて除湿できるようにしている。熱交温度を最適化しつつ大風量でも室温を低下させないパワフル除湿運転も行える。
ダイキン工業の斎藤氏は、「新型のうるさらXは、パワフル除湿運転により、1時間あたり1800ミリの除湿量を達成し、従来モデルと比較して1.2倍の除湿が行え、ルームエアコンとしては業界最高クラスの除湿量を誇り、室内の湿度を50%以下にする時間は、従来モデルと比べて、20%短縮している」と話す。
しつどクリーン運転では、部屋内の湿度を50%以下に保ち、カビの繁殖を抑える。しずかモードでは、従来モデルと同等の加湿・換気量を保ちつつ運転音を10%減らした。
加湿・換気性能の強化に関して、新型では、独自開発した、風量を維持しながら音を低減する吸音マフラーを取り付けることで、機体内部の通風量がアップしても騒音がほとんど発生しないようにし、加湿量と風量を向上した。吸音マフラーは、通過する音の波長と反対の波長を発生させて打ち消す構造を採用している。
さらに、加湿モード「うるる加湿」では、運転音は従来モデルと同等で、機体内部の風量タップをパワーアップし、加湿ヒータに新制御方式を導入することで、加湿量を強化しただけでなく、使用する加湿換気ユニットでも取り組む風量を向上し、給気換気量を高めた。
銀イオン抗菌剤は、エアコン内にある銀イオンホルダーに設置され、微量ずつ溶出し、手入れが難しいドレンパン内部の水分を抗菌する。なお、清潔性については、従来モデルと同じく、抗菌剤を添着した抗ウイルスフィルターや室内ファンに金属イオン糸の薬剤を練り込んで加工した防カビ加工ファン、加湿水と結露水で洗浄するストリーマ水内部クリーン機能を持つ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ダイキン工業が265nmの深紫外線で集塵フィルターを除菌する空気清浄機を開発
ダイキン工業は、除菌効果が高い265ナノメートルの深紫外線を放出できる高出力深紫外線LED「KLARAN」を搭載した「UVC LED ユニット」とストリーマ技術を備えた「ストリーマユニット」で、集じんフィルター「抗菌 HEPA フィルター」で捉えた菌とウイルスを抑制する空気清浄機「UVストリーマ空気清浄機」を開発した。今後、店舗やオフイス教育施設、クリニック、幼稚園、保育園、福祉施設の小空間をメインターゲットに「UVストリーマ空気清浄機」を訴求する。 - D2Cを本格化、顧客参加型商品開発プラットフォーム「DAIKIN LAUNCH X」開設
ダイキン工業は、ユーザーの意見を掬い取れる商品開発プラットフォーム「DAIKIN LAUNCH X」を開設し、本格的にD2C(Direct to Consumer)モデルに取り組む。 - 改修工事で有効な新設備CADソフト「FILDER CeeD」、青焼き図面から3Dモデル化
ダイキン工業の設備CADソフト「FILDER」シリーズはこれまで、「FILDER Rise」「FILDER Cube」の順に発売され、中小設備会社を中心に累計6000社で導入されている。同社は、従来品の優れた機能を踏襲しつつ、近年増加する施設の改修工事で力を発揮する「FILDER」シリーズの新バージョンを開発した。 - 空調機のDX化を実現するクラウドサービス、遠隔監視・制御・更新・IoT機器連携に対応
ダイキン工業は2021年6月1日にクラウド型空調コントロールサービス「DK CONNECT」を発売する。DK CONNECTは、インターネットに接続する空調機のコントロールと運転のデータを送受信するネットワーク端末「DK CONNECT edge」と専用クラウドから成るもので、専用クラウドは空調機100万台の同時接続とユーザー数30万人を想定して開発された。