ZEHでも室温を低下させずに換気と除湿が行えるルームエアコンを発売、ダイキン工業:製品動向(1/2 ページ)
ダイキン工業は、高気密化と高断熱化が図られたZEHなどの住宅でも、室温を低下させずに換気と除湿が行える新型のルームエアコン「うるさらX」を2022年11月1日に発売する。
ダイキン工業は、都内で、ルームエアコン新商品発表会を2022年10月12日に開いた。会場では、同社 空調営業本部 副本部長 兼 事業戦略室長 石井克典氏と空調生産本部 小型RA商品グループリーダー主任技師 斎藤和也氏が、ルームエアコン市場の動向と2022年11月1日に発売するルームエアコン「うるさらX」の新型について紹介した。
うるさらXシリーズは3年連続で好調な売れ行きを維持
ダイキン工業の石井氏は、「日本冷凍空調工業会が発表した“ルームエアコン出荷台数の推移”によれば、2020年度は、政府が2020年6月に配布した特別定額給付金と巣ごもり需要の影響で、ルームエアコンの出荷台数は過去最高となる1010万台を記録した。2021年度は、ルームエアコンの出荷台数は前年度比で91%の929万台で平年並みの需要となった」と述べた。
続けて、「2022年4〜9月は、巣ごもり需要の一巡や6月に発生した長雨による梅雨明けの遅れが作用し、ルームエアコンの出荷台数は前年比96%となる565万台に止まった」と補足した。
こういった状況やコロナ禍の換気需要を踏まえて、ダイキン工業では、換気が行えるルームエアコンとして、「うるさらX」「うるさらmini」「Vシリーズ」「うるるとさらら 天井埋込カセット形 シングルフロータイプ」「うるるとさらら 床置き型」をリリースしてきた。「うるさらXは、一般消費者から高い評価を受け、2020年度の出荷台数は前年比110%となり、2021年度の出荷台数は前年比105%となった。2022年度も出荷台数は前年比105%で、好調な売れ行きだ」(石井氏)。
ダイキン工業は上記のように堅調な売上を継続しているうるさらXの新型を2022年11月1日に発売する。新型の開発にあたっては、「住宅設備による換気と、窓を開けることで行う空気の入れ替えにより生じる室内の湿度上昇」や「住宅の高気密化と高断熱化に伴う湿気の取りにくさ」を解消することを目指した。
「住宅の高気密化と高断熱化に関して、近年、住宅業界では、ZEHの開発が重要視されており、2020年度に供給された新築戸建て住宅のうち56.3%がZEHとなった他、2022年度には、国土交通省が、各種税制優遇策が受けられる長期優良住宅と認定低炭素住宅の“断熱等性能等級”を、省エネ基準クラスからZEHクラスに変更し、国内で住宅の高気密化と高断熱化が進んでいる」(石井氏)。
なお、高気密で高断熱な住宅は、空調負荷が小さく、年間の消費電力を抑えられるが、住宅設備による24時間換気などで、絶えず外気が侵入することで湿度が上昇しやすく、「室温は低いがエアコンで湿度を下げきれない」という状況が生まれやすい。
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