フェイルセーフ機能拡張や遺失ドローンの捜索が可能に、NESが開発を進める「高可用性ドローン基盤」:Japan Drone2022(2/3 ページ)
NECソリューションイノベータは、長年にわたりサーバ上で稼働する高可用性クラスタリングソフトウェアの開発を行ってきた。最近では、ソフトウェア開発で培った技術をドローンの運用にも応用することを試みている。
ドローンの状況を監視するコンピュータを追加搭載
体制としては、ArduPilotに造詣が深く「コンサル・農業・教育」の3本を柱に事業展開しているドローン・ジャパン、機体カスタマイズに知見を持つイームズロボディクスの3社連携で、それぞれの得意分野を持ち寄って進めている。
高可用性ドローンの基盤として、NECソリューションイノベータが定めたコンセプトは、「飛行状況の把握・監視」「飛行範囲設定の二重化」「通信の冗長化」「遺失ドローンの捜索」の4つ。
NECソリューションイノベータのシステムでは、機体を制御するArduPilotのドローンの状態を、ドローンに搭載した別のコンピュータ(コンパニオンコンピュータ)で監視し、状況に応じて緊急着陸や基地に戻るなど、何らかの異常を検知したら飛行を停止させるフェイルセーフアクションを実行する。他にも、コンパニオンコンピュータは外部機器の制御や飛行記録の保存、墜落した場合のビーコン発信なども行う。
今後、目視外の飛行が増える中で、機体状況をリアルタイムで把握することが重要になってくる。監視項目はいろいろあるが、飛行速度やバッテリー残量、飛行姿勢などをモニタリングすることで、外部機器との連携を含めたアクションが可能になる。アクションとは、バッテリー残量が低下したら帰還させたり、安定した姿勢が保てなくなったら着陸させたりなどだ。
ドローン本体にもフェイルセーフ機能は備わっているが、機体制御ソフトウェアとは別のコンピュータで監視することにより、フェイルセーフ機能に拡張性を持たせられるのが利点となっている。
一二三氏は、「将来はフライトコントローラーの二重化で、相互監視なども検討したい」との計画を明らかにした。
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