フェイルセーフ機能拡張や遺失ドローンの捜索が可能に、NESが開発を進める「高可用性ドローン基盤」:Japan Drone2022(1/3 ページ)
NECソリューションイノベータは、長年にわたりサーバ上で稼働する高可用性クラスタリングソフトウェアの開発を行ってきた。最近では、ソフトウェア開発で培った技術をドローンの運用にも応用することを試みている。
NECソリューションイノベータは、「Japan Drone2022|第7回−Expo for Commercial UAS Market−」(会期:2022年6月21〜23日、千葉・幕張メッセ)の出展社ワークショップで「高可用性ドローン基盤のコンセプト」と題する講演で、ドローンを安全に飛行させるための4つのコンセプトを紹介した。
ドローン事故を未然に防ぐ「高可用性ドローン基盤」
ドローンに関する国内動向のトピックスとしては、サイバーセキュリティやレベル4に向けた機体の認証制度など、安全安心にドローンを運用する仕組みの整備が進められている。同時に、墜落や機体遺失、建物などへの衝突といった事故への対策も、専用保険などを含めて重視されるようになってきた。そのため、NECソリューションイノベータでも、ドローンの可用性を高めることで、リスクを回避する運用環境の構築に力を入れている。
ドローンの事故で特徴的なのは、スキルアップや操作手順を正しく守るだけでは回避が難しいケースが多いことにある。原因としては、機体の障害や故障、通信障害、強風や突風などがあり、言い換えれば、そうしたアクシデントに対応することができれば、事故を格段に減らせる。
NECソリューションイノベータでは、事故の発生件数や原因を踏まえ、未然に防ぐための4つのコンセプトを定め、開発を進めている。方向性としては、ドローンを特別なハードウェアではなく、1つのプラットフォームと捉える。そして、オープンソースの無人車両向けオートパイロットソフトウェア「ArduPilot(アルジュパイロット)」を採用し、開発の自由度を確保している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.