検索
ニュース

「旧九段会館」を復元した複合施設が開業、東急不動産が復元技術を内覧会で紹介プロジェクト(6/7 ページ)

東急不動産は、鹿島建設とともに、東京都千代田区九段南一丁目で、登録有形文化財である旧九段会館を一部保存しながら建て替え、完成した複合施設「九段会館テラス」を2022年10月1日に開業した。

Share
Tweet
LINE
Hatena

免振レトロフィット工法で60年以上の耐震性能を確保

 地上2階の貸し会議室である茜と富士は、隣接する堀の借景を望める貸し会議室で、建物内には茜と富士を含めて8部屋(専有面積が26〜179平方メートル)の貸し会議室を用意している。いずれの部屋も、NUROの高速ネット回線を採用しており、ライブ配信やWeb会議といったオンラインイベントに対応し、施設内の鳳凰や「真珠」といったバンケットルームと併用可能。


貸し会議室「茜」

貸し会議室「富士」

 免震構造に関する説明サインでは、地震時に免震構造の九段会館テラスがゆっくり動き、地震の衝撃を緩和する際に生じる壁のせり出しといった注意点を紹介している。なお、九段会館テラスでは、保存棟に免震構造を採用し、新築部分に制震構造を導入した。


免震構造に関する説明サイン

 また、旧九段会館は、SRC構造によって建てられており、現在とは基礎梁の構成が異なっていたため、九段会館テラスの保存棟では免震構造を構築するために「免振レトロフィット工法」を採用している。

 具体的には、免振レトロフィット工法で、保存棟の地下1階にある既存の柱と梁の周囲に躯体を構築し、仮設ジャッキで建物ごと柱を持ち上げながら少しずつ柱を切り取り、積層ゴムを装着した後、部分的にすべり支承を入れたことで、大地震が発生すると、壁が動き変形に追従するようにし、免振性を高めた。

 ちなみに、免振レトロフィット工法の施工時は、ジャッキで支えている柱と柱の傾きを2000分の1に抑えながら作業を進め、60年以上は耐震性能を保てるような仕様とした。


「免振レトロフィット」工法の手順

 Classic Office Loungeは、保存棟の2〜4階に設置されている専有面積が66〜264平方メートルの小規模オフィス「Classic Office 」用のラウンジで、ミーティングの場として使える。Classic Officeは、天井はスケルトンとし高さがある空間となっている。


「Classic Office Lounge」

「Classic Office」

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る