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三井E&Sマシナリーがコンクリ構造物検査システムを小型化、内部鉄筋データを3D変換する新技術も発表:メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2022(2/2 ページ)
業界トップレベルのコンクリート構造物検査用レーダーを製造/販売する三井E&Sマシナリーが小型化と軽量化した最新機種を発表した。機器がコンパクトになったことで、インフラ点検の作業性向上につながり、インフラ点検業界の幅広い客層に訴求できるようになった。
鉄筋部分の3次元CADデータ化技術を実用化
ブース担当者は、「鉄筋コンクリート内の鉄筋の位置や状態を確認する以外にも、例えば、躯体内の配管など埋設物の有無を調べ、躯体のどこに孔を開けてよいかを確認するといった使い方も見込める。装置の利用方法はユーザーによってさまざまなので、検査専門機関、建設会社、建造物の管理会社など、幅広い客層が見込めるのでは」と期待する。MPLA-1645Aは、今秋に上市予定だという。
なお、三井E&Sマシナリーは展示会会期中の2022年7月21日、MPLA-245AやMPLA-1645Aなど、同社が開発したMPLAレーダーで計測した鉄筋コンクリート構造物内部の鉄筋データを、CADで読み込める3Dモデルデータに変換する技術を開発したとリリースした。これにより、3Dモデルから鉄筋の中心座標を抽出し、線分データ化できるなど、レーダー計測結果のCAD図面化が容易になったという。
さらに計測後1分程度で、計測データを高精度の3Dモデルデータへ変換できるようになったため、鉄筋の計測データをプロジェクターやVR/AR技術で構造物に投影すれば、鉄筋に支障を与えない補強アンカー用の削孔位置の特定など、現場における作業支援や効率化につながる。
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