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三井E&Sマシナリーがコンクリ構造物検査システムを小型化、内部鉄筋データを3D変換する新技術も発表メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2022(1/2 ページ)

業界トップレベルのコンクリート構造物検査用レーダーを製造/販売する三井E&Sマシナリーが小型化と軽量化した最新機種を発表した。機器がコンパクトになったことで、インフラ点検の作業性向上につながり、インフラ点検業界の幅広い客層に訴求できるようになった。

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 老朽化した建物や道路、橋梁(きょうりょう)などのインフラを保守・点検する際に課題となるのが、対象物が「図面通りに作られているか」ということ。特に鉄筋コンクリート構造物やアスファルト道路などは、図面と異なるコンクリート内部の鉄筋位置や図面に記載されていない地中埋設部の有無などが、メンテナンス計画を左右する要因となりかねない。

 こうした構造物や道路については、補修や改修工事などを実施する前に、超音波やレーダーなどを使った“非破壊検査”が有効となる。その非破壊検査をより手軽に行える新しい機器が、「メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2022」(会期:2022年7月20〜22日、東京ビッグサイト 東展示棟)で同時開催された「インフラ検査・維持管理展」で初披露された。三井E&Sマシナリーの小型コンクリート構造物検査システム「Multi Path Linear Array Radar(マルチパスリニアアレイレーダー)MPLA-1645A」だ。

ユーザーからの要望に応え、軽量化と利便性向上を実現


三井E&Sマシナリーのブース

 三井E&Sマシナリーは、旧三井造船の流れを汲(く)む機械メーカー。船舶用ディーゼルエンジン、港湾用クレーン、原子力施設向けマニピュレータなどの設計・製造から、据付け、アフターサービスまでを手掛けている。

 レーダー探査装置については、これまでに業界初の最大10GHz(ギガヘルツ)の超広帯域周波数を使用した高精度型のレーダー探査装置「MPLA-10Gi」をはじめ、最大4.5GHzの超広帯域周波数を使用した高精度型のレーダー探査装置「MPLA-245A」、線路バラスト下の空洞や緩みを探査する「線路下空洞探査装置」の製造および販売実績がある。今回発表したMPLA-1645Aは、MPLA-245Aを小型化し、利便性を高めたもの。「ユーザーから、もう少し軽くて扱いやすいものが欲しいとの声に応えるために開発した」(ブース担当者)。


小型コンクリート構造物検査システム「MPLA-1645A」

旧モデルの「MPLA-245A」

 MPLA-1645Aの外形寸法は、230(幅)×150(高さ)×310(奥行き)ミリ。重さは6キロと、MPLA-245Aの8.4キロと比べて約7割に軽量化されており、コンクリート壁の検査などに導入しやすい。

 周波数帯域は100MHz〜約4.5GHz(FMCW法式:周波数を変化させながら距離を測る方式)。測定幅は約260ミリと、MPLA-245Aの約480ミリよりやや狭いが、測定深度は約300ミリを維持。測定ピッチも同じ、10ミリ/進行方向、20ミリ/直行方向だ。

 また、MPLA-245A同様、独自のソフトを用いて高品質かつ高分解能の3次元立体画像を合成することで、コンクリート内部を3次元で確認できる。


「MPLA-1645A」はデータ分析用機器と未接続だったため、「MPLA-245A」での測定実演をお願いした

測定画面。写真左上の白い帯状部分がブース床下の躯体内部を示している

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