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スマホで地形測量を実現、作業を90%短縮した大林組の新アプリ情報化施工(1/2 ページ)

大林組が地形測量が行えるスマートフォンアプリを開発。従来の計測機器を利用した手法より作業時間を90%以上も短縮でき、その場ですぐに3次元データも閲覧可能だという。

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 大林組は2018年2月20日、地形を測量できるスマートフォン用アプリ「スマホdeサーベイ」を開発したと発表した。スマートフォンから手軽に地形測量が行え、従来の手法と比較して現地での作業時間を90%以上も短縮できるという。

 豪雨や地震などに伴う土砂災害では、流出した土砂が道路や鉄道をふさいでしまうことがある。その際、周辺住民の生活への影響を最小化するためにも、迅速な復旧作業が求められる。こうした復旧作業に着手する際には、まず現状把握のために地形を測量する必要があり、通常はトータルステーションなどの計測機器を利用して実施する。しかし、この方法では測量結果を事務所などに持ち帰り、PCで座標計算し図面化するまで地形を把握することができないなど、一定の時間が必要だった。

 今回、大林組が開発したスマホdeサーベイは、赤外線センサーを搭載したスマートフォンを用い、こうした測量作業をより効率的に行えるようにしたもの。トータルステーションを用いた従来の測量方法では、地形を捉えるために最低でも5m間隔で計測する必要があった。一方、スマホdeサーベイでは、スマートフォンの画面を見ながら、現地を歩くだけで簡単に地形を計測できる。従来に比べ現地での作業時間を90%以上も短縮でき、10cm以下の小さな起伏も捉える精度で、最大で約500平方メートルの範囲まで3次元の地形データを取得できるとしている。


「スマホdeサーベイ」による測量風景と取得した点群データ 出典:大林組

 さらに、AR(拡張現実)技術により、スマートフォンの画面上に、測量対象の測線となるガイド線を表示する機能も備える。このガイド線に沿って歩くことで、簡単に断面を測量できるという。


断面測量時におけるガイド線表示のイメージ 出典:大林組

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