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電気炉酸化スラグ細骨材を使用した環境配慮型コンクリートでJIS認証を取得、東急建設カーボンニュートラル

東急建設は、関東宇部コンクリート工業の「溝の口工場」と共同で、電気炉酸化スラグ細骨材を用いて開発した環境配慮型コンクリート「E-PEC」でJIS認証を取得した。溝の口工場からコンクリートの供給を受ける全ての建設会社で採用できるようにE-PECでJIS認証を取得した。

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 東急建設は、関東宇部コンクリート工業の「溝の口工場」と共同で、電気炉酸化スラグ細骨材※1を用いて開発した環境配慮型コンクリート「E-PEC」でJIS認証を取得したことを2022年7月14日に発表した。

※1 電気炉で溶鋼と同時に生成する溶融した酸化スラグを高圧空気で飛散させ瞬間的に凝固させたもの(風砕方式)。E−PECでは、星野産商の「田原工場」で製造される細骨材を使用。

最大約10%のCO2を削減

 国内外では脱炭素・循環型社会の構築が進む中、建設業と深く関わりがある製鋼業界では、鉄鉱石などの天然資源を原料とし多くのCO2を排出する「高炉製法」ではなく、鉄スクラップ(廃棄物)を原料に活用しCO2排出量を約4分の1に抑える「電炉製法」を利用することが注目されている。

 一方、東急建設では、長期経営計画で提供価値として掲げる「脱炭素」「廃棄物ゼロ」を踏まえ、電炉製法の副産物である電気炉酸化スラグ細骨材を主成分とした先送りモルタル代替材「サスタル」などを開発してきた。こういった活動の一環として、E−PECの開発をスタートした。

 E-PECは、天然資源である砕砂などの代替材として電気炉酸化スラグ細骨材を活用することで、骨材天然資源の保護に貢献する他、強度を確保した上でセメント使用量を減らせるため、CO2の削減(最大約10%)にも役立つ。


電気炉酸化スラグ細骨材(左)と一般的な骨材(右) 出典:東急建設プレスリリース

 さらに、電気炉酸化スラグ細骨材の粒子形状は球形なことから、コンクリートの流動性が向上し施工性が改善するだけでなく、単位水量も低減するため乾燥収縮の低減(ひび割れ低減)や中性化の抑制といった高耐久化も実現する。加えて、建物の部位ごとに要求される施工性や耐久性に応じた最適な骨材使用率を調整することで、最適なコンクリート品質の確保を可能としている。

 今後は、東急建設は、E-PECが施工性と耐久性にも優れ、複数の採用メリットがあることから、関東宇部コンクリート工業の溝の口工場で、東急建設以外の建設会社でも採用できるように供給を開始する予定だ。

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