6時間の飛行が可能な“国産ドローン”とグリーンレーザースキャナーで国内市場に訴求:第4回 建設・測量生産性向上展(2/2 ページ)
測量や現地調査など建設業界でも多用されつつあるドローンだが、これまではDJIを中心に中国製が使われることが多かった。しかし、近年の社会情勢を受け、中身がブラックボックスともいわれる中国製ハイテク機器は、公共用途で使用しづらいムードが強まっている。アミューズワンセルフが提供する国産のドローンとスキャナーは、そうした意味でもニーズに応えられるドローン製品となっている。
バッテリーとハイブリッドの国産ドローン2機種を開発
このところ中国製のドローンを避ける傾向が強まっており、特に国の仕事を受注している測量会社や建設コンサルでは、中国製から日本製に乗り換える動きが活発になっている。アミューズワンセルフのドローン機体GLOWは、日本市場を視野に入れた国産をウリにするドローンシリーズ。
アミューズワンセルフでも、GLOWの開発前は、中国メーカーのDJI製「Matrice(マトリス)シリーズ」にレーザースキャナーを装着して各種ドローンサービスを提供していた。しかし、当該ドローンが廃盤となり、スキャナーを搭載できなくなった。そこで、自らドローンを開発することに思い至った。
今展では、リチウムイオンバッテリータイプの「GLOW.L」と、ハイブリッドタイプの「GLOW.H」を出品。GLOW.Hの“ハイブリッド”とは、エンジンとバッテリーの両方を積んでいることを意味する。
バッテリータイプのGLOW.Lは、無駄を削ぎ落としたシンプルなドローンで、収納サイズは300(幅)×850(高さ)×350(奥行き)ミリとコンパクト。古河電池製の産業ドローン用インテリジェントリチウムイオンバッテリーを採用することで、TDOT 3 GREENを装備した状態で最大で33分間飛行する。
GLOW.Lは6つのローターを装備するドローン。機体の軽量化と重量バランスの最適化を考慮して製品設計されており、ドローンとしての安定性に加え、高度な制御システムで、安定したホバリングや構造物に接近した撮影が可能という。
ハイブリッドタイプのGLOW.Hは、エンジンとバッテリーを搭載した4ローターモデルとなる。エンジンで発電しながら飛行するので、ペイロード無しなら、最長で6時間飛行。TDOT 3 GREENを搭載した場合でも、2時間を超えるフライトができるので、広範囲を一気に測量する際には大きな力となる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ドローンセキュリティガイドを公開した「セキュアドローン協議会」に聞く(前編)―“レベル4”で高まるドローンリスク
2022年度中に人口集中地区(DID)での目視外飛行(レベル4)が解禁されることを見越し、建設業界でも活況を呈する日本のドローン産業。本格的な社会実装を目前に、測量や点検などで活躍の場が広がる建設業も含めて、ドローンに従事する者がいま心構えておくべきこととは何だろうか。 - 国土交通省の出来形管理要領に「OPTiM Geo Scan」が準拠、オプティム
オプティムは、2022年3月31日に国土交通省が改定した「3次元計測技術を用いた出来形管理要領」を確認し、同社製の3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」が準拠していることを公表した。なお、3次元計測技術を用いた出来形管理要領に準拠している、モバイル端末を利用したLiDAR測量アプリは「OPTiM Geo Scan」が国内初だという。 - 次世代の中型ホイールローダー「Cat 966」国内初披露、“生産性は正義”で脱炭素施工と両立
Cat製品を製造するメーカーの日本法人キャタピラ―ジャパンは、燃費効率やメンテナンスコストの低減だけでなく、一見すると相反しそうな生産性も両立させた次世代ホイールローダーを日本市場に投入した。 - 三菱電機らが業界初“ドップラーライダー”で現場上空の風を可視化、2023年に提供開始
三菱電機、竹中工務店、アクティオは、高所作業の安全確保を目的に、現場上空の風の状況をレーザー照射機と独自ソフトウェアで可視化する風況データソリューションの開発を進めている。 - 土砂崩落やインフラ点検などで最適化するためにAI性能を評価するには?【土木×AI第13回】
連載第13回は、AIで得られた結果のなかで、未検出や誤検出を減らすために必要なAIの評価手法について論じます。 - CO2を排出せずに電気を生む、工事現場に適した燃料電池式のデンヨー製発電装置
工事現場では、工事内容や期間などに応じて、さまざまなタイプの発電機が導入されている。従来は、発電能力で選ばれていた感がある発電機だが、昨今は環境に配慮したタイプにも注目が集まっている。工事現場周辺への影響を抑えるため“静音”や“低振動”をアピールする発電機は現在でも多いが、最近は加えて、燃料電池タイプの製品も登場している。