分譲マンション向けの「ZEH-M仕様検討支援ツール」を開発、長谷工コーポレーション:ZEH
長谷工コーポレーションは、デベロッパーの要望に応じて、ZEH-M Oriented性能基準を満たす分譲マンションを設計するための「ZEH-M仕様検討支援ツール」を開発した。2022年1月から東京地区で、2022年4月から関西地区でデベロッパーにZEH-M仕様検討支援ツールの活用を提案している。
長谷工コーポレーションは、デベロッパーの要望に応じて、「ZEH-M Oriented」の性能基準※1を満たす分譲マンションを設計するための「ZEH-M仕様検討支援ツール」を開発したことを2022年7月8日に発表した。
※1 「ZEH-M Oriented」の性能基準:断熱性能を示す強化外皮基準(UA値)を満たした上で、再生可能エネルギーなどを除き、基準一次エネルギー消費量からの削減率(BEI値)が20%以上となる仕様。
プロジェクトごとの事業方針に沿った設備の選定も実現
2021年10月に経済産業省が発表した「第6次エネルギー基本計画」では、「2030年度以降の新築住宅はZEH基準の省エネ性能確保を目指す」といった内容が明記されており、断熱性能の向上や高効率な設備システムの採用など、省エネを実現する取り組みが国内で求められている。
長谷工コーポレーションが設計・施工を担当したマンションでも、ZEH-M Orientedの性能基準を満たす仕様の設計依頼が急増している。
そこで、同社は、分譲マンションの事業方針に応じて仕様を柔軟に検討できるZEH-M仕様検討支援ツールを開発し、長谷工コーポレーションの建築概算コスト算出システムと連携を図った。ZEH-M仕様検討支援ツールは、デベロッパーの要望を踏まえて、ZEH-M Oriented基準を満たす仕様の組み合わせとコストの提案が行える。
さらに、住宅性能表示制度における「断熱等性能等級4」以上の床、壁、開口部、天井に対して、断熱性能がアップする仕様の検討に応じる。加えて、給湯設備、冷暖房設備、照明設備など、高効率設備の提案に対応し、プロジェクトごとの事業方針に沿った設備の選定を実現する。
今後は、ZEH-M Oriented性能基準を満たす仕様をデベロッパーに提案し、国内のマンションにおけるZEHの普及を促進するとともに、サプライチェーン全体のCO2排出量削減に取り組んでいく。
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