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【建設サイトReport】清水建設が目指す“デジタルゼネコン”、実現に向けた3つの柱「建設サイト・シリーズ」ユーザーミーティング2022(2)(1/2 ページ)

清水建設は、建設業界を取り巻くさまざまな問題からデジタル技術で脱するべくリアルとデジタルの双方でものづくりを行う“デジタルゼネコン”のコンセプトを掲げている。

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 建設業界に特化したクラウドサービスプラットフォーム「建設サイト・シリーズ」で知られるMCデータプラスは、ユーザーミーティングを2022年2月にYouTubeのライブ配信で開催した。

“デジタルゼネコン”を目指す清水建設のDX


清水建設 建築総本部 建築企画室 技術企画部 部長 今井敬氏

 前回の大和ハウ工業に続く、スピーカーを務めたのは、清水建設 建築総本部 建築企画室 技術企画部 部長 今井敬氏。今井氏は、現代の建設業を取り巻く環境変化から語り起こしていった。

 同氏がまず問題視したのは、自然災害の頻発とその激甚化である。建設業は、「防災・減災の面から、より価値の高い建造物を提供する使命を担っており、その対応を強化すべきだ」というのである。

 また、地球温暖化などの気候変動への対策として、“カーボンニュートラル”も避けては通れない課題だ。そのため清水建設では、「SHIMZ Beyond Zero 2050」の旗印のもと、2050年までに自社オフィスを3つの領域でCO2排出量ゼロを目指している。


気候変動対策としてカーボンニュートラルへの対応

 さらに、労働環境についても相変わらず厳しい状況と、今井氏は言葉を続ける。他産業より、340時間も長い長時間労働と少ない休日、高年齢化(担い手不足)と他産業の64%程度にとどまる低い生産性。どれも他産業に大きく後れを取る建設業にとって、時間外労働上限規制の開始が2年後に迫ったいま、働き方改革と生産性向上は待ったなしの状況にある。

 加えて、新型コロナウイルス感染症対策により、非接触・リモートなどの新たな働き方の必要性も高まった。課題解決のカギは新技術にあり、特に進化スピードが格段に速いデジタル化が重要になる。しかも、単なるデジタル化に限らず、建設業の業務内容やプロセスそのものを見直し、デジタル技術で革新する──こうした考えに基づき、清水建設は1つのコンセプトを打ち出した。それが、「Shims デジタルゼネコン」である。


建設業の課題と対応のカギ

 Shimsデジタルゼネコンは、清水建設の原点である江戸期の宮大工・初代 清水喜助から受け継がれる「匠の心」を基盤に、最先端の技術を生かし、デジタル化を進めていくためのコンセプト。「ものづくり(=匠)の心」を持ち合わせ、リアルなものづくりの知恵と先端デジタル技術を駆使して、ものづくりをデジタルで行い、リアルとデジタルが連動したこれまでにないデジタルツインのサービスを提供するゼネコンを指す。

 Shimsデジタルゼネコンの取り組みには、「ものづくりをデジタルで行う」「デジタルな空間・サービスの提供」「ものづくりを支えるデジタル」の3つの軸がある。


清水建設のデジタル戦略「Shimzデジタルゼネコン」

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