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災害時要援護者の安否確認優先度を自動算出するシステムを開発、森ビル:防災
森ビルは、内閣府の委託事業「スーパーシティー構想の実現に向けた先端的サービスの開発・構築などに関する実証調査業務」の一環として、3DマップとIoTデバイスのデータを用いた「災害時の状況可視化・情報連携システム」を独自開発した。今後は、「デジタル田園健康特区」に指定された長野県茅野市と連携し、システムの確立を目指した実証実験を行っていく。
森ビルは、内閣府の委託事業「スーパーシティー構想の実現に向けた先端的サービスの開発・構築などに関する実証調査業務」の一環として、3DマップとIoTデバイスのデータを用いた「災害時の状況可視化・情報連携システム」を独自開発したことを2022年5月13日に発表した。
災害発生時における建物の危険度を判定
人口密度が低く高齢化率が高い地方都市では、災害発生時に要援護者の安否確認を電子的に行うことは困難で、行政職員や消防団、地域住民が直接訪問することでしか安否確認が難しいという課題があった。
そこで、森ビルは災害時の状況可視化・情報連携システムを開発した。災害時の状況可視化・情報連携システムでは、3Dマップの建物モデルにひも付く構造・用途などの建物情報と、IoT技術を活用した地震センサーから取得する地盤や建物の揺れデータといったリアルタイム情報を連携させることで、災害発生時における建物の危険度を判定する。
さらに、地域の災害時要援護者※1情報を掛け合わせることで、要援護者の安否確認優先度を自動的に算出し可視化できる。
※1 災害時要援護者:1人暮らしや寝たきり、認知症を患う高齢者など、発災時に行政の救護や介護を必要とされる人。
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