連載
建設業のGDPに関する国際比較「世界1位の中国は10年連続で大幅増」:建設業の人材動向レポート(43)(3/3 ページ)
本連載では、ヒューマンリソシアが運営する「建設HR」が独自に調査した建設業における人材や市場動向について、さまざまな観点で毎月レポートを発表している。今回は、建設産業を生産面から見た建設業のGDPについて、主要6カ国の違いを分析している。
インド:建設業の実質GDPは10年連続で増加し、増加率も高い傾向
インドにおいても2011年から2020年までは10年間連続で前年を上回り、2020年には1930億USドルと、対2011年比で39%増となり、中国に次いで増加率が高くなっている(図表7)。
【図表7 インドにおける建設業の実質GDPの推移】 出典:United Nations(国際連合)の「National Accounts - Analysis of Main Aggregates」より建設HR 編集部が作成
韓国:建設業の実質GDPは増加傾向だったが、2018年から3年連続で減少
韓国では、2013年から2017年までは増加傾向であったが、2018年から2020年までは3年連続で減少した。2020年は779億USドルとなり、対2011年比では21.5%増となった(図表8)。
【図表8 韓国における建設業の実質GDPの推移】 出典:United Nations(国際連合)の「National Accounts - Analysis of Main Aggregates」より建設HR 編集部が作成
まとめ
中国やインドなど、今後ますます経済的な存在感が高まっていくことが推察される国で、建設業のGDPは急速に拡大していることが分かった。特に中国やインドではGDP総額に占める建設業の割合も高く、建設業が重要な産業になっている。また、先進国である米国にでも、建設業のGDPの成長率が日本よりも高いことが注目される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 建設業の人材動向レポート(42):技能実習以外の「特定技能1号」などが増加傾向、建設業の“外国人労働者”を調査
本連載では、ヒューマンリソシアが運営する「建設HR」が独自に調査した建設業における人材や市場動向について、さまざまな観点で毎月レポートを発表している。今回は、建設業における海外人材(外国人労働者)の動向をリサーチしている。 - 産業動向:建設業の「労働環境」「年間給与額」は全産業を上回る、労働時間は3年連続減
建設HRは、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2022年3月分のマンスリーレポートを公表した。今月は、建設業における最新の給与動向と労働時間を調査し、独自の視点から分析している。 - 産業動向:「建設業6業種で売上高は増収になるも収益性は低下」2022年3月期第3四半期決算まとめ
建設HRは、2022年3月期第2四半期決算をまとめたレポートを公表した。レポートでは、6業種全てが増収となる一方で、純利益は4業種が減益になり、6業種合計は増収減益となったとしている。 - BIM/CIM導入には「プロセスの理解」が不可欠:日建連 杉浦氏が教える「BIM/CIM導入成功のための人材活用術」建設HRセミナーレポート
国土交通省による全公共工事(小規模現場を除く)のBIM/CIM原則適用が2年後に迫っていることもあり、建設業界でのBIM/CIM導入の動きも活発になりつつある。だが、ビッグゼネコンなど一部の大手を除くと、BIM/CIM導入状況はまだまだ遅れ気味のようだ。建設業界の人事に関わる情報を発信するWebメディア「建設HR」は、2021年9月に日建連 杉浦伸哉氏を講師に迎え、プロセスとしてのBIM/CIMの理解と導入を阻む3つの要因にどう対処するか、さらにBIM/CIM人材活用術を解説するWebセミナーを開催した。 - 産業動向:2022年度公共事業関係予算は国土強靭化で、要求額以上の予算規模
建設HRは、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2022年2月分のマンスリーレポートを公表した。今月は、2022年度の政府予算案をもとに、国土交通省の公共事業関係予算について分析している。 - 産業動向:「建設技術者は3.2万人、建設技能工は23.2万人が不足」2030年の未来予測
建設HRは、建設技術者と建設技能工に関する将来の人材需給動向について、「ベースライン成長」「成長実現」「ゼロ成長」の3種類の経済成長パターンで2030年までの未来予測をシミュレーションした。