Box JapanのFY22は“絶好調”、ホワイトボードや電子署名で日本市場に注力:ニューノーマルを勝ち抜く事業戦略(3/3 ページ)
BoxはFY23の戦略説明会を開催し、そのなかで、「ワークスタイルの変化」「デジタルファーストへの移行」「サイバーセキュリティ対策」の3つのトレンドに応じた、今後の方向性を示す各種アップデートを示した。新機能では、2022年1月に施行した電帳法に対応する電子署名やテレワークが浸透したことを受けたクラウド上での仮想ホワイトボードなどを搭載する。
日本は約20%の売上を占める重要な市場、FY23も企業のDX推進をサポート
古市氏は、FY23の目標として「全コンテンツをデジタル化し、活用しつくせるようにする」と語る。しかし、全てのコンテンツが悪意を持ったハッカーの標的になるリスクも伴う。セキュリティと使い勝手の良さはトレードオフでもある。対して、古市氏は「根本的な課題をBoxはこれまでにも克服してきた。その取り組みを今後さらに強化する」と展望を述べた。
具体的には、文書や画像、マニュアルなど、分散しがちな非構造化データ・コンテンツを一元管理し、個人の活動だけではなく組織の単位で活用できるようにする。一元管理の秘訣となるのは、Boxが提供するコンテンツクラウドとAPI連携だ。
コンテンツとアプリケーションを分離することで、アプリごとに分散しがちなコンテンツを一元管理できる。これによって、統合的にセキュリティが高められる。またAPI連携では、他部署または他システムからの利用も可能になる。
この際に有用なのが、先にレヴィ氏が紹介したホワイトボードのBox CanvasやBox Signといったサービス。特に電子署名を可能にするBox Signは、ハンコ文化が根強い日本で歓迎されるだろう。
日本はBoxのグローバル戦略上で売上の約2割を持つ重要な市場となる。古市氏はBox Signのように、「日本ユーザーの要望を優先的に実現したい」と口にした。
この他、Boxが日本政府のISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)に登録され、政府機関や自治体などの運用面でもセキュリティが保持できること、2022年1月に施行した改正電子帳簿保存法の要件を満たしていることも紹介。
古市氏は、今後の展開として病院や金融機関といった、より高いセキュリティが求められる分野の基準へ準拠し、アプローチを始めていることを語った。さらに、2022年7月6〜7日に開催される「BoxWorks Digital Tokyo」への参加を呼びかけて説明を終えた。
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