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“非建設分野”の収益を全体の約35%へ、カーボンニュートラルに向けた清水建設の挑戦第6回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−(3/3 ページ)

清水建設は、「スマートイノベーションカンパニー」のスローガンのもと、2030年におけるレジリエント、インクルーシブ、サステナブルの3つのキーワードを実装する社会実現を目指している。その先進事例としては、石川県金沢市の同社北陸支店の新築や東京都中央区本社の改修工事などが挙げられる。

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 自然環境の保全は、地球温暖化をはじめ、海洋・水質・大気の汚染、資源の枯渇などにも目が向けられている。なかでも、特に温暖化は重大なテーマとされる。日本でも、2030年度には、CO2排出量を2013年度比で46%削減する方針が打ち出されているが、一般企業では、「何をすればよいのか、いくらコストが掛かるのか」といった不安視する声もある。

 清水建設は、こうした声にカーボンニュートラルパートナーとしての立場で応え、顧客の課題解決をサポートする。そのための原資となるのが、1804年の設立以来多くの建築物を手掛け、近年では省エネや再エネに取り組む、清水建設の知見や蓄積となる。

 カーボンニュートラルパートナーは、エネルギーに関する「減らす」「創る」「蓄える」「買う」の4つの項目で、効率的な利用と低炭素化をトータルで支援する。最初に着手するのは、顧客のエネルギー状態の把握で、その結果をベースに、目標達成に向けたロードマップを作成することとなる。


現状を分析した後、ロードマップを作成。「減らす」「創る」「蓄える」「買う」の4項目に対して、最適な方法を提案

 ただ、顧客には、それぞれに年度の予算や優先すべき事項が存在するため、「さまざまな条件を考慮しつつ、4項目を組み合わせて提案していき、まずは2030年の46%削減に向けたロードマップの共有から始めたい」と語った。


2030年に向けたロードマップ。スケジュールを明確化して共有することで、46%のCO2削減を目指す

新たな環境目標「SHIMZ Beyond Zero 2050」

 清水建設は、新たな環境目標として「SHIMZ Beyond Zero 2050」を2021年6月に策定した。2050年までに自社活動による負の影響をゼロにするだけでなく、顧客や社会にプラスの環境価値を積極的に提供していくこと(Beyond Zero)を目指すべき姿として掲げている。ビジョンでは、「脱炭素社会」「資源循環社会」「自然共生社会」の3つの視点を定めている。

 脱炭素に関しては、自社の活動の他、技術革新や再エネ電力などの創出、サプライチェーンを含む活動によって脱炭素社会を牽引(けんいん)するとしている。ただ、脱炭素社会の実現は、清水建設だけで達成できるものではないのも事実だ。

 山地氏は、「当社と顧客と協力することで、2050年のカーボンニュートラル、脱炭素社会を具現化できれば」とし、今後も環境価値創造のイノベーションに取り組んでいく姿勢を示すとともに協力を求めた。

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