路面ひび割れとガードレールのサビを一般車のドラレコとAIで解析、イクシス:AI
イクシスは、道路面のひび割れとガードレール支柱のサビをAIで解析する新たなサービスをスタートさせた。
かわさき新産業創造センター(KBIC)に本社を置くイクシスは2022年5月13日、道路AI解析サービスとして、道路面ひび割れ解析とガードレール支柱の錆(さび)解析のサービスを同年4月1日付でリリースしたと公表した。
一般車両でAIによる定期的な道路点検が可能に
これまでの道路点検は、点検員による近接目視が基本で、生産性や安全性の点で課題があった。課題に対して、一般車両に搭載する市販ドライブレコーダーで走行中に撮影した動画をイクシスのインフラ向けAIで解析することにより、効率的かつ安全を確保した道路点検が実現する。
道路ひび割れ解析は、一般車両に取り付けたドライブレコーダーで撮影した動画をAIによる自動解析にかけ、道路舗装面のひび割れの1次スクリーニングを行う。これまでのような高額な専用車両ではなく、一般車両による点検が可能になるため、例えば通常業務などの延長で日常的に走行する車両をそのまま使って、コストを抑えた定期点検が可能となる。
また、日本無線と共同開発した路面の劣化状態を色別に可視化する劣化区分けレポートのシステムは、パノラマ表示にも対応しているという。
一方、ガードレールの支柱は、融雪剤などの影響により錆びてしまうため、定期的な点検や補修が必要とされる。これまでのガードレール点検は、近接目視で行っており、安全確保や交通規制などがネックとなっていた。
イクシスのガードレール支柱解析ソリューションは、一般車両に搭載した市販のビデオレコーダーを用いて、進行方向に対して側方を撮影し、映像をAIが解析してガードレールの支柱や支柱の錆を検出する仕組み。走行中に撮影可能で、解析もAIが行うため、融雪剤などの影響で支柱の根元が錆びている区間を一次スクリーニングする際に、生産性や安全性が高められる。
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