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独自調査で浮き彫りに、“サスティナビリティ実現へ”日本企業の実態と建物設備からの解決策ニューノーマルを勝ち抜く事業戦略(2/4 ページ)

ジョンソンコントロールズは、ビル設備からのアプローチでサスティナビリティ実現を目指す際に、日本企業がどのような課題に直面しているかを探る実態調査を実施した。

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エネルギーや電力の管理と指標設定は、海外企業より低い投資意欲

 「サスティナビリティを優先する原動力トップ3」の設問では、日本以外は顧客獲得を重視しているが、国内では「企業ブランドへの反映」がトップで、「サスティナビリティへの取り組みに基づき、就職先を決定する従業員を惹(ひ)きつける(維持する)」もランクインした。グローバルではサスティナブル製品で顧客を獲得しようとする考えが首位だったのに対し、日本企業は慢性的な人手不足を背景に、サスティナブルを人材確保につなげたいことがうかがえる。

 具体的なサスティナビリティの取り組みについては、国内外ともに同様の傾向となり、「CO2排出量削減」「エネルギー・電力管理」「再生可能エネルギー」が挙がった。ただ、日本企業の投資意欲では、CO2排出量削減が高く、エネルギーや電力の管理と指標設定は、グローバルよりも低い結果となっている。


サスティナビリティの取り組みについての回答

 また、「CO2排出量/エネルギー消費量削減の長期目標」については、国内外ともに50%以上の削減がボリュームゾーンとなっているが、どちらも海外拠点を含む組織全体での取り組みよりも、着手しやすい自社ビルが先行している。目標期限も、海外は2024年をめどとしているのに対し、日本は同年5月とやや遅い。

 そのうえで「取得を目指す認証」は、日本企業は「CASBEE」取得への意欲が突出して高く、グローバルでは最も高い「ISO 50001」だけでなく、4つ以上の取得を検討している違いがみられた。


CO2排出量/エネルギー消費量削減の長期目標についての回答

取得を目指す認証についての回答

 排出削減のためには、排出量測定やESG報告用のソフトウェアが欠かせないが、「使用している」が国内30%で世界の26%と比較して導入率は高いものの、「計測指標の特定と進捗管理方法の社内調整」「個別に存在している(サイロ化された)複数のデータソースからの情報収集」「社内のノウハウ不足」といったデータ活用やノウハウ不足など、排出量測定で直面する問題点が寄せられた。


排出量測定やESG報告用のソフトウェア利用についての回答

 今後、「サスティナビリティ目標達成の妨げになるもの」では、「外部パートナーの不足」「取り組み規模(建物レベル、グローバルレベル、事業部門単位など)の拡大」は、日本/世界ともに共通の問題意識を抱えており、日本独自では「戦略的プランの欠如」や「規制対応」も上位となった。

 吉田氏はまとめとして、「日本企業は、ブランディング、顧客獲得、採用強化を原動力に、サスティナビリティへの意欲は高い。排出量削減やエネルギー、電力量管理への投資意欲も旺盛で、認証取得にも積極的。しかし、現状では、評価指標の設定は、グローバルよりも投資意欲が低く、目標値や達成期限も控えめ。日本企業がサスティナビリティに向き合う際の課題は、データ活用と収集、戦略的プランの立案、取り組み対象規模の拡大方法、さらに支援してもらう社外パートナーの欠如にある」とした。

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