道路関連インフラ向けに水性のさび転換剤を販売開始:製品動向
アークノハラは、さびの進行を防ぐアルファペイントの水性塗料「セレクトコート さびチェンジ.」の販売を開始した。塗布するだけでさびと密着し、防錆効果を発揮する。
アークノハラは2022年2月、さびの進行を防ぐアルファペイントの水性塗料「セレクトコート さびチェンジ.」(以下、さびチェンジ)を2022年3月1日から全国で販売開始すると発表した。
さびチェンジは、鉄の酸化により腐食の原因となる赤さびを良性の黒さびに変化させ、さびの進行を防ぐものとなっている。塗布するだけでさびと密着し、防錆効果を発揮する。
さびチェンジは、これまで主に民間企業の設備などの維持管理に用いられていた。アークノハラは、新たに橋梁や防護柵、標識柱、歩道橋といった道路関連インフラの維持管理での需要を見込む。
橋梁などの道路インフラには、鉄鋼が構造材料として多く用いられている。一方で、さび止めは油性のものが主流となっていた。
水性塗料は有機溶剤を含まないため、油性よりも環境や人体への負荷が少ない。空気がこもりやすいトンネル内作業などでも、安全に塗布することができる。
また、従来の油性塗料では、塗布前に大掛かりなケレン作業(1種ケレン)が必要となっていた。さびチェンジを用いる場合、塗布前作業を浮さびの除去(4種ケレン)のみに低減できる。
さらに、水性塗料のため、湿っている面でも使用可能。乾燥時間を短縮できる。油性塗料の場合、基本的に湿った面では使用できないため、塗布面の乾燥時間を要していた。
さびチェンジは、クリアタイプおよびシルバータイプを提供する。価格は、クリアタイプの場合で1kg缶10缶分が9万3170円、16kg缶が10万8680円、シルバータイプの場合で1kg缶8缶分が7万5020円、16kg缶が10万8680円となっている。
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