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下水道のグリーンイノベーションに向けて6技術を新たに採択産業動向

国土交通省は、2022年度に着手するB-DASHプロジェクトに2技術、下水道応用研究に4技術を新たに採択した。最初沈澱(ちんでん)池での下水エネルギー回収技術の技術実証事業や、省エネ型深槽曝気技術に関する実証事業などが選ばれている。

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 国土交通省は2022年3月28日、2022年度に着手するB-DASHプロジェクト(下水道革新的技術実証事業)に2技術、下水道応用研究に4技術を新たに採択したと発表した。

 新たにB-DASHプロジェクトに採択されたのは、「高効率最初沈澱(ちんでん)池による下水エネルギー回収技術に関する実証事業」(明電舎、大阪市 共同研究体)と「省エネ型深槽曝気技術に関する実証事業」(前澤工業、日本下水道事業団、埼玉県 共同研究体)の2技術だ。

 高効率最初沈澱池による下水エネルギー回収技術に関する実証事業では、既存最初沈殿池を高効率エネルギー回収型沈殿池に改良し、下水からエネルギー回収を促進してエネルギー創出を進めることで、省エネやCO2削減、省メンテナンス、省コストの効果を実証する。

 省エネ型深槽曝気技術に関する実証事業では、深槽反応タンクの底部に散気装置を搭載した省エネ型深槽曝気技術の実用化に向けて、消費電力や温室効果ガス排出量の削減、ライフサイクルコストの縮減効果、性能などを実証する。

 また、新たに下水道応用研究に採択されたのは、「水素および廃棄バイオプラスチック分解物の消化槽への添加によるバイオメタン増量技術」(大阪ガス、京都大学、NJS、大阪市 共同研究体)、「下水資源を使った藻類バイオ原油生産と副産物の資源化に関する重点要素技術開発」(藻類産業創成コンソーシアム、筑波大学、MoBiol テクノロジーズ 共同研究体)、「3Dプリンタを使用した下水道放流域での低落差対応マイクロ水力発電の検討」(リコー、JAG シーベル、金沢工業大学 共同研究体)、「下水処理水の水田灌漑利用による温室効果ガス排出削減効果の定量化技術の開発」(山形大学、秋田工業高等専門学校、秋田県立大学、日水コン 共同研究体)の4技術となっている。

 水素および廃棄バイオプラスチック分解物の消化槽への添加によるバイオメタン増量技術では、嫌気性消化槽への水素投入によるバイオメタネーションや廃棄バイオプラスチック分解物(乳酸)の添加による消化ガスの増加、さらなるバイオメタン量の増加について検証する。

 下水資源を使った藻類バイオ原油生産と副産物の資源化に関する重点要素技術開発では、既存の研究成果をベースとし、藻類バイオ原油生産や窒素、リンなどの副産物の回収および資源化の実用化に向けた要素技術、手法を開発する。

 3Dプリンタを使用した下水道放流域での低落差対応マイクロ水力発電の検討では、3Dプリンタ技術と水力発電技術を連携させる。水車機器の素材と形状を変更するほか、金属加工では難しかった水車翼形状の微細な加工を施し、機器の軽量化や耐候性の向上、設計の自由度について検証する。

 下水処理水の水田灌漑利用による温室効果ガス排出削減効果の定量化技術の開発では、水田灌漑に下水処理水を用いることで、水田から排出される温室効果ガスの削減効果を定量化する技術を開発する。

 国土交通省は、民間企業や研究機関を対象に2022年1月より公募を開始していた。学識経験者や地方公共団体などからの委員で構成される下水道革新的技術実証事業評価委員会、下水道応用研究評価委員会が審査を担当している。

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