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エレベーターなどビル設備を24時間見守る日立の「管制センター」刷新、ビルオーナー向け「BUILLINK」も機能拡充BAS(2/2 ページ)

日立製作所と日立ビルシステムは、エレベーターやエスカレーターといった昇降機をはじめ、ビル設備機器を24時間365日遠隔監視している「管制センター」を一新する。管制センターの更新に合わせて、ビルオーナーや施設管理者向けの見える化サービス「BUILLINK」が対象とする設備機器を広げるほか、感染症防止のソリューションなどの機能拡充も図る。

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カゴ内の感染を防ぐ空気洗浄と密集回避の機能も搭載

 新バージョンは、これまでの昇降機に加え、空調、防犯カメラ、入退室管理システム、ビル設備管理システム、受水槽、ポンプ、受変電設備、防災設備などにも対象を拡大し、ビル設備全体を遠隔で一元的に管理できるようになる。機能拡充と同時に画面のインタフェースも改良し、システムのアプリ化によるプッシュ通知などといった操作性も向上。加えて、従来はPCのみでダウンロードや閲覧をしていたエレベーターカゴ内の防犯カメラ映像をスマートフォンでもできるようになっただけでなく、チャットサポートサービスも用意して利便性も高めた。

 また、地震発生時には、日本の略地図上に、エレベーターの地震感知器が動作した物件が所在するエリアを赤塗りで示し、地震によって運転休止するなどの復旧が必要なエレベーター台数を数字で表示することで、被害の規模を可視化する。

 エレベーターを遠隔制御するメニューには、最新の標準型エレベーター「アーバンエース HF(エイチエフ)」で装備されているカゴ内の空気洗浄を行う「かご内クリーン運転」と、音声アナウンスや運転制御でカゴ内の密集を防ぐ有償オプション「密集回避運転」のオン/オフ切り替えの機能を新たに搭載。感染症の拡大状況に応じて、設定をPCやスマホで柔軟に変更できるようになった。

 一方で、エンジニアをサポートするAIテクニカルサポートシステムは、エレベーターなどのビル設備やシステムの稼働データ解析を行い、万一故障発生時にはエンジニアによる復旧作業を支援するシステム。設備やシステムに故障が発生すると、遠隔監視システムが収集した設備の制御信号データと、エンジニアが現場で確認した現場状況データ、過去約40万件の故障対応記録とのパターンマッチングを自動で行い、故障原因の候補を確率が高い順に並べ、どのような手順で調査を進めていくかをフローチャートでエンジニアに提示する。

 既に2019年10月から段階的に社内導入を進めているが、現在は事務所などのPCのみ利用可能で、2022年5月4日以降は順次導入を進めていく。新たにスマートフォンでのアクセスにも対応し、エンジニアがシステムの提示する内容を確認しながら、現地で復旧作業を行えるようになるとともに、2022年7月には対象を昇降機に限らず、空調、防犯カメラ、入退室管理システム、エネルギー管理システムなどにも広げる。


「AIテクニカルサポートシステム」のスマートフォン向け画面イメージ 提供:日立ビルシステム

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