アズビルが新たな全館空気清浄換気専用システムを発売、第1種熱交換換気を採用:製品動向
アズビルは、PM2.5やウイルスなどにより住宅内の空気環境で発生する問題を解消するソリューションとして全館空気清浄換気システム「e-kikubari」の販売を開始した。
アズビルは、一般戸建て住宅向けに、1つのシステムで家中の空気清浄や第1種熱交換換気※1を行う全館空気清浄換気システム「e-kikubari」を2022年4月21日に発売した。
※1 第1種熱交換換気:第1種換気は給気、排気ともに機械換気で行う換気方式。強制的に換気を行うため、空気の循環をより確実に行える。換気装置には熱交換機能を持つ場合がある。
浮遊ウイルスを99.99%以上取り除く性能
近年、国内では、花粉やPM2.5、浮遊ウイルスなどへの懸念が多く報道され、住宅内における換気の必要性と空気環境の改善が求められている。そこで、アズビルでは、1997年から2022年にわたり、全館空調システム「きくばり」の研究開発、販売、アフターサービスを通じ、上記のニーズに応えてきた。
同社は、きくばりの事業で培ったノウハウを生かし、全館空気清浄換気システムのe-kikubariを開発した。
e-kikubariは、商業施設でも採用されている強力な除去性能を持つ「電子式エアクリーナ」を搭載し、PM2.5を99%、浮遊ウイルスを99.99%以上取り除く性能を持つ。さらに、家中の空気を循環し、粉じんを除去するため、設置された部屋のみが局所的にきれいになるポータブル型の空気清浄機に比べ、家全体の空気がきれいになる他、帰宅時に住宅内に持ち込まれた粉じんや生活の中で発生する粉じん、窓開けなどにより家の中に入ってくる粉じんについても除去する。
e-kikubariの換気は、第1種熱交換換気を採用し、一般的な換気(第3種換気)に比べ省エネルギーだ。第3種換気は、室内の暖められた(冷やされた)空気をそのまま排出し、外の冷たい(暑い)空気をそのまま取り入れるが、e-kikubariは第1種熱交換換気により、室内の暖められた(冷やされた)空気を排出せずに、これから取り入れられる新鮮な空気を暖める(冷やす)のに使用するため、エネルギー消費が少ない。
加えて、居室内に直接冷たい(暑い)外気をそのまま取り込まないため、第3種換気でありがちな換気口から冷気が入るような不快感が少なく、快適に過ごせ、換気を機械で行うことで、より確実に法令で定められた換気量を確保できる。
e-kikubariと併用する冷暖房機器(ルームエアコンなど)は、顧客が住宅に合わせて、好みのものを別途購入して使える。また、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の認証取得を希望する場合には、ZEH申請時に有利となる「熱交換換気」を選べ、ZEH達成のために必要となる太陽光発電設備などの容量を小さくすることも可能だ。
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