アズビル、クラウド型バルブ解析診断サービスを本州化学工業に提供:導入事例
アズビルは、コントロールバルブに関する状態をWebコンテンツとして提供可能なクラウトドサービス「Dx Valve Cloud Service」を本州化学工業和歌山工場の動力設備のボイラーおよび発電に提供開始した。
アズビルは、本州化学工業和歌山工場の動力設備のボイラーおよび発電に2021年8月から「Dx Valve Cloud Service」を提供開始した。
Dx Valve Cloud Serviceは、コントロールバルブに関する状態をWebコンテンツとして提供可能なクラウトドサービスだ。プラントや工場で稼働するバルブの健全性を診断し、その結果を可視化することで生産設備の安定化や保安力強化に貢献する。
本州化学工業和歌山工場ではセンシング技術とIoT、ICT、AIやデジタル技術を活用したPDCAサイクル実施、業務効率の向上、品質管理の徹底、メンテナンスの最適化に取り組んでいる。その中で、製品を安定的に生産するために必要不可欠な動力設備において、重要機器であるコントロールバルブの状態を、セキュリティを確保した上でクラウドサービスが利用できる同サービスを導入した。
同設備では、2019年8月からアズビルの調節弁メンテナンスサポートシステム 「PLUG-IN Valstaff」を導入し、これにより同社藤沢テクノセンターから遠隔で収集したデータを、レポート形式で診断結果として提供するバルブ解析診断サービスの活用を開始した。バルブの異常兆候を定期修理前に把握することで大きなトラブルを回避できると判断し、データに基づく定量的なメンテナンス業務の確立に向けて、ノウハウの蓄積に努めてきた。
同サービスは、メンテナンススタッフ全員がいつでもバルブの状態をWebで監視・解析診断ができるので、容易に健全性を把握することが可能になる。今回の導入により、スタッフの「経験」に加え、「データ」が示すバルブの異常兆候を捉えることにより、迅速にメンテナンスの要否に関する意思決定ができるため、バルブメンテナンス業務の効率改善が図れると見込んでいる。また、予防保全から予知保全への移行と工場全体の安定運転にも貢献できると判断され、導入に至った。
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