全国で急増する“空き家”に関する意識調査「居住用など自身で利活用を望む傾向が増加」:空き家問題(2/2 ページ)
クラッソーネは、社会問題化している「空き家問題」について、独自のアンケート調査を実施した。調査結果では、空き家相続の兆しとして、団塊世代から団塊ジュニアへ相続されている実態が明らかとなった一方で、空き家の活用方法は、「居住用やセカンドハウスなどで活用したい」と、自身での利活用を望む回答が増加している傾向が明らかになった。
「愛着があり手放したくないから」「地域貢献したいから」が大幅増
空き家を活用したい理由では、「愛着があり手放したくない」は前回が2割(20.9%)に対し、今回は3割強(35.2%)と約14ポイント上昇。また、「地域貢献を望む」では、前回は1割(9.6%)、今回は2割弱(16.4%)と約7ポイント上がった。
第1回調査で最多の回答は、「現金化したいから/家賃収入にしたいから(39.4%)」で、「将来その空き家に住みたいから(37.4%)」「週末や休暇など保養目的として利用したいから(31.2%)」の順だったが、第2回は「現金化したいから/家賃収入にしたいから(37.4%)」「愛着があり手放したくないから(35.2%)」「将来その空き家に住みたいから(33.5%)」となり、空き家に愛着を持つ所有者の割合が増加していることが判明した。
調査結果の総括
調査結果のまとめとして、空き家の取得経緯について全体の約4割が「相続した」と回答し、前回調査の約3割から増加傾向にあることが分かる。
所有する空き家に対しては、半数近くが活用を望んでおり、希望する活用方法の最多回答は、前回は「売却したい」「貸したい」が多かったがに、今回は「自分や家族が居住したい」、次いで「自分や家族で別荘・セカンドハウスとして利用したい」となり、自分自身で利活用したい意向が高まっている実態が明らかになった。
また、活用したい理由の約5割が「愛着があり手放したくない」「地域貢献したい」と回答し、前回の約3割に比べ大幅に増加していることも判明した。
クラッソーネでは、「昨今、空き家所有リスクや利活用に関する報道が増えており、生活者の空き家に対する知識や注目度が上がっている。実際に、空き家を活用して都会と地方での2拠点生活に取り組む人や田舎暮らしを行う人など、コロナ禍で広がる新たなライフスタイルや価値観を実現する人も増えている。こうした背景により、愛着ある空き家を自身で利活用したい、地域に貢献する形で空き家を利活用したいといった意向に大きな影響を与えているのではないかと推測される」と総括している。
<調査の概要>
調査方法:インターネットによる調査
調査時期:第1回調査 2021年8月13〜15日、第2回調査 2022年1月28〜30日
調査対象:
第1回調査 空き家を所有する30歳以上の男女1064人
第2回調査 空き家を所有する30歳以上の男女1053人
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