次世代の都市型交通システム、低コスト/自動運転/自由設計の自走型ロープウェイが開発支援:MaaS
自走型ロープウェイ「Zippar」を構想するZip Infrastructureは、鉄道や交通ビジネスの専門商社ヤシマキザイとスポンサー契約を締結し、自走型ロープウェイの開発支援を獲得した。
自走型ロープウェイ「Zippar」を開発する交通システムベンチャーのZip Infrastructureは2022年3月31日、ヤシマキザイとスポンサー契約を締結したと発表した。今回の締結は、ヤシマキザイが「SDGs(持続可能な開発目標)」の観点で、Zipparに優位性を見いだしたことが要因となったという。
「低コスト、自動運転、自由設計」の自走型ロープウェイ
Zip Infrastructureは、世界の都市部で年間26.7兆円超の経済損失を生む“渋滞問題”の解決策となる新しい交通システムの自走型ロープウェイZipparを開発している。
Zippaは低コスト、自動運転、自由設計が特徴で、モノレール換算で半分の輸送量が確保できるシステムを5分の1のコスト(15億円/キロ)と期間(1年間)で建設可能な新たな交通システム。自動運転のため、運転士不足に悩まされることも無く、時間帯や路線など、旅客需要に応じて車両数を増減させられる。
また、既存のロープウェイと比べても、ロープとゴンドラが独立しているため、カーブや分岐を自由自在に設けて、柔軟な路線設計が可能。安全面では、支索を2本とすることで、風速毎秒30メートル(通常ロープウェイの1.5倍)での運行に応じる。ゴンドラのデザインは、キャビン全体を下から囲いこむXフレームとし、公共交通機関としての安心感、安全性を感じていただける意匠となっている。現在は、2022年半ばに8人乗りモデルのテストへ向けて、準備を進めている。
2021年6月末には、神奈川県秦野市と、Zipparの開発や街づくりへの活用に関する連携協定を交わした。官民連携では、市内で次世代交通システムの実験を行い、実用化後には街づくりへの活用を通して、市民生活の向上、地域の活性化、活力ある市内工業の持続的な発展に役立てることを見込む。
また、市からの2022年1月には協力依頼に対し、新晃工業が応じ、秦野市にある神奈川工場内の未利用の土地と工場倉庫の一角を試験用地として貸借することが決定している。
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