積水ハウスが「ZEH最上位水準」を戸建て・賃貸で標準化、住宅性能表示制度の4月施行に併せ:ZEH
積水ハウスは、住宅性能表示制度の断熱性能等級で、住宅の省エネ性能がZEH水準と同等の「等級5」が2022年4月に新設されることに併せ、自社の戸建てと賃貸住宅で標準化する方針を発表した。
積水ハウスは、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)のさらなる普及促進に向け、戸建て住宅や賃貸住宅を対象に、住宅性能表示制度の省エネルギー等級の最上位として新設されるZEH水準の「断熱等性能等級5」「一次エネルギー消費量等級6」の仕様を業界に先駆け、住宅性能表示制度が改正される2022年4月1日より、全社で標準化する。
「断熱等性能等級5」「一次エネルギー消費量等級6」を標準化
国土交通省の推計によると、日本国内の住宅ストック約5000万戸のうち、現行基準※1の断熱性能を満たす住宅はわずか13%(2019年度時点)にとどまり、新築戸建て住宅全体のZEH比率も16.84%と低い。
※1 現行基準は、建築物省エネ法のH28省エネ基準(エネルギー消費性能基準)の断熱基準を指す(省エネ法のH11省エネ基準及びH25省エネ基準(建築主などの判断基準)の断熱基準と同等の断熱性能)
関連告知:ITmedia Virtual EXPO 2022 春 「Building × IT EXPO」
閉幕迫る!3月18日迄
基調講演:
積水ハウスの『5本の樹』計画で描く、生物多様性に富むスマートシティ
2022年4月に開催する「COP15」では、2030年までのグローバルでの生物多様性の枠組み(GBF)が公表される予定など、世界中で生物多様性の保全には注目が集まっている。
本計画では、戸建て住宅の緑化だけではなく、その先に都市の生物多様性も見据えた、これまでに無いスマートシティの実現を構想している。 なぜ大手ハウスメーカーが生物多様性に着目し、「5本の樹」プロジェクトを立ち上げたのか、積水ハウス社内で環境経営を推進するESG経営推進本部 環境推進部 佐々木正顕部長と、生物多様性ビッグデータを研究している琉球大学 久保田康裕教授にご解説いただく。
※アイティメディアが運営するバーチャルイベント「ITmedia Virtual EXPO」とは、インターネットに接続されたPCやタブレット端末などのスマートデバイスから、24時間いつでも・どこからでも、無料で来場できる春と秋の年2回開催されている“仮想”展示会。会場では、基調講演、各EXPOで用意された特別セッション、出展社によるセミナー動画の視聴や各種資料・カタログのダウンロードなどが行える。会期は2022年3月18日まで
そのため、積水ハウスでは、2050年カーボンニュートラルや脱炭素社会の実現に向け、住宅の断熱性能及び省エネルギー性能の向上が必要とみなし、これまでに、政府が第6次エネルギー基本計画に掲げる目標「2030年度以降新築される住宅・建築物について、ZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能の確保」に対応すべく、戸建てや賃貸住宅のZEH化を推進してきた。
今回、2022年4月に改正される住宅性能表示制度で、現行の等級を上回る「断熱等性能等級5」「一次エネルギー消費量等級6」が新設されることを受け、社内で標準化することにより、先んじて長期優良住宅の認定基準をクリアするとともに、住宅分野での脱炭素化をさらに加速させる。
なお、新たな住宅性能表示制度は、国が定める共通ルールに基づき、第三者機関が住宅の性能を評価する任意の制度で、「断熱等性能等級5」「一次エネルギー消費量等級6」のいずれか一方、もしくは両方の評価となっている。
積水ハウスのZEH化実績値は、戸建て住宅の2020年度ZEH比率は91%に達し、賃貸住宅ブランド「シャーメゾン」の2021年度上期ZEH受注は、2020年度の年間受注戸数を半年で上回る3486戸と急増傾向にある。また、分譲マンションでは、「グランドメゾン」の2023年以降に販売する全住戸をZEH仕様とする方針を公表している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ZEH:2020年度の新築戸建ZEH比率が90%超えに、積水ハウス
積水ハウスは、2020年度の新築戸建住宅におけるネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の比率が91%になったことを発表した。 - 産業動向:積水ハウスが目指す「急性疾患の発症者を自動で感知し通報する家」、鍵は人体の異常を判断するアルゴリズム
積水ハウスは、高齢化の波を受け、住まいで脳卒中と心筋梗塞により急死する人が増えていることなどを踏まえ、住宅で急性疾患を発症した人の早期発見と救急通報を実現するシステム「HED-Net」の開発を進めている。このほど、実際に住人が住む30棟の新築戸建て住宅で、HED-Netの性能を検証するパイロットプロジェクトがスタートした。 - 電子ブックレット(BUILT):1棟ごとにカスタムメイドする「邸別生産」で、AIを自社構築した積水ハウスの挑戦
ウェブサイトに掲載した記事を印刷しても読みやすいPDF形式の「電子ブックレット」にまとめました。無料のBUILT読者会員に登録することで、ダウンロードすることができます。今回、紹介するのは「邸別自由設計」を家づくりのモットーとする積水ハウスが、なぜ住宅の製造現場にAIを導入したのか、独占インタビューのまとめです。 - プロジェクト:マリオットの地域貢献型ホテルが栃木県宇都宮市の道の駅でオープン、積水ハウス
積水ハウスとマリオット・インターナショナルは、国内にある道の駅に隣接してホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット」を建設して、地域観光スポットの再活性化を図る計画「Trip Base 道の駅プロジェクト」を推進している。道の駅に近接するフェアフィールド・バイ・マリオットは、料理などを提供しない宿泊特化型なため、宿泊客は、地元の飲食店などで食事を行い、地域経済に貢献できる。 - 経営トップに聞く:【独占取材】日立ビルシステム 光冨新社長「コロナ禍は戦略を見直す好機。ITの付加価値で差別化を」
日立のビルシステム事業を統べる新社長に光冨眞哉氏が就任した。いまだ続くコロナ禍の副産物としてリモートワークやテレワークが急速に社会全体で普及したことで、オフィスビルやワークプレースなど働く空間そのものの価値観が変わる転換点に差し掛かっている。これまでとは全く異なる社会変革に、エレベーターやエスカレーターを主力とする同社のビルシステム事業がどのように応え、ニューノーマル時代で勝ち残っていくのか。新たな舵取りを担う、光冨新社長への独占インタビューから探った。 - 製品動向:積水ハウスが7軒の家族ストーリーを設定したモデルハウスを「住まいの夢工場」で公開
積水ハウスは、居住者の家族構成や物件の場所などを設定して、内装などを手掛けたライフスタイル提案型のモデルハウス7軒「みんなの暮らし 7stories」を茨城県古河市にある関東住まいの夢工場で公開した。