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住友林業、建物のCO2排出量を可視化するソフトウェアを国内提供:脱炭素
住友林業は、フィンランドのOne Click LCAと、建物のCO2排出量などを可視化するソフトウェア「One Click LCA」の日本単独代理店契約を締結した。建設にかかるCO2排出量を算定するものとなっている。
住友林業は2022年1月27日、フィンランドのOne Click LCAと、建物のCO2排出量などを可視化するソフトウェア「One Click LCA」の日本単独代理店契約を締結したと発表した。
同ソフトウェアは、建築現場で使用する各資材のデータを用いて、建設にかかる原材料調達から加工、輸送、建設、改修、廃棄までのCO2排出量(エンボディード・カーボン)などを算定するものとなっている。
日本では、居住時のエネルギー使用によるCO2排出量(オペレーショナル・カーボン)と比較して、エンボディード・カーボンの可視化や削減に向けた取り組みが欧州ほど普及していない。
同社は今後、One Click LCAを用いたエンボディード・カーボン算定の基盤を構築すべく、住宅や不動産業界団体に働きかける。また、資材の環境認証ラベル「EPD(Environmental Product Declaration)」取得に向けた木材や建材メーカーへのサポートを進める。
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