複数の顔認証サービスを1つの顔画像で使用可能な連携基盤を開発、三菱地所:ICT
三菱地所は、同社製の共通認証ID「Machi Pass」にユーザーが顔画像を登録すれば、その画像により複数の顔認証サービスをユーザーの承諾によって使用できる顔認証サービス連携基盤「Machi Pass FACE」を開発した。
三菱地所は、2021年6月に策定したプラン「三菱地所デジタルビジョン※1」の一環として、建物や施設、サービスごとに異なる顔認証サービスをワンストップで使える顔認証サービス連携基盤「Machi Pass FACE」を開発したことを2022年2月7日に発表した。
※1 三菱地所デジタルビジョン:オフラインとオンラインが融合する新しい暮らしとまちづくりを目標に掲げたプラン。
DXYZの顔認証プラットフォーム「FreeiD」を活用
これまでの顔認証サービスでは、使用する際に、顔認証端末のエンジンが異なると利用者はそれぞれのサービスを利用する都度、顔画像を登録する手間が発生していた他、生体情報を保持している事業者を判断しづらかった。
そこで、三菱地所はMachi Pass FACEを開発した。Machi Pass FACEは、DXYZが提供する顔認証プラットフォーム「FreeiD※2」の技術を活用したもので、複数の顔認証ソリューションを1つのプラットフォームに集約する。
※2 FreeiD:DXYZが提供する顔認証プラットフォーム。多種多様な顔認証エンジンと連携し、一度の顔登録でリアルな世界において「入退」「認証」「決済」といった複数の顔認証サービスをユーザーが選択(オプトイン)して使える。
具体的には、多様な施設の入退室やまちで展開される複数のオンラインサービスなどを1つのIDで使える三菱地所製の共通認証ID「Machi Pass」にユーザーが顔画像を登録すれば、その画像により複数の顔認証サービスをユーザーの承諾(オプトイン)によって使用できる。
さらに、顔認証端末のエンジンは、ユーザーの許諾に基づき、Machi Pass FACEの登録情報共有を実現し、手間を省略するため、顔認証の利用促進が期待される。
現在、三菱地所では、東京都千代田区で保有するオフィスビル「大手町パークビル」内の同社本社でMachi Pass FACEの実証を進めているだけでなく、2022年3月に運営する会員施設の入退室キーとして利用を開始する。また、丸の内エリアをはじめ、宮城県仙台市泉区のニュータウン「泉パークタウン」への導入も予定している。
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