1600トンクレーンを搭載したSEP船の起工式を開催、五洋建設ら:産業動向
五洋建設、鹿島建設、寄神建設の3社は、インドネシアで建造を進める1600トンのSEP型多目的起重機船「CP-16001」の進水式を開催した。今回のSEP船は2022年9月に完成と引き渡しを予定している。
五洋建設、鹿島建設、寄神建設の3社は、インドネシアで建造を進めるSEP型多目的起重機船「CP-16001(以下、SEP船)」の進水式を2021年12月22日に行った。
2023年4月に稼働開始予定
今回のSEP船は、全長が120メートルで、全幅は45メートル、最大搭載人員は100人で、洋上風車とその基礎構造の大型化に対応するために1600トン吊(つ)り全旋回式クレーンを備え、10〜14MWクラスの洋上風力発電施設を効率的に建設することができる。
基本設計は世界におけるSEP船の7割以上を手掛けるGustoMSC(オランダ)が担当し、主クレーンはオフショアクレーンのトップメーカーであるHuisman(オランダ)製のクレーンを採用した。さらに、SEP船の保有と運営は、五洋建設、鹿島建設、寄神建設の3社による共同出資会社であるPKYマリンが行う。
進水式は、インドネシアのバタム島にあるGraha造船所で行われ、関係各社とオンラインで中継された。Graha造船所はSEP船の建造を担っているPaxOcean Engineering(シンガポール)が保有する施設。
また、建造契約は2020年1月30日に結ばれ、同年10月30日に造船所で起工とコロナ禍での建造となったが、現在は関係者の尽力により進捗率は86%と計画通り順調に建造が進んでいる。今後はクレーンの設置などを進め、2022年9月の完成・引き渡し後、習熟訓練などを経て、2023年4月の稼働開始を目指す。
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