大林組が「Arch-LOG」積極活用、BIMオブジェクト拡充へ:BIM
大林組と丸紅アークログは、BIMオブジェクト総合検索プラットフォーム「Arch-LOG」の活用およびBIMオブジェクト拡充のためのアライアンス(業務提携)を締結した。BIMオブジェクトを管理する強固なプラットフォームを構築することで、BIM活用領域の拡大に備えたい構えだ。
大林組は2019年10月16日、BIMオブジェクト総合検索プラットフォーム「Arch-LOG」を運営する丸紅アークログとの間で、プラットフォーム活用およびBIMオブジェクト拡充のためのアライアンスを締結したと発表した。
BIM(Building Information Modeling)とは、コンピュータ上に作成した建物の3次元デジタルモデルに、意匠・構造・設備・仕上げ・環境性能・コスト管理など、あらゆる属性データを組み込むソリューションのこと。BIMオブジェクトは、BIMモデルを生成する柱・壁・照明・家具などの建材部品データを指す。
Arch-LOGが格納するBIMオブジェクトは、大林組作成のBIMオブジェクトや建材メーカーの一般的なカタログデータだけでなく、衛生陶器や厨房機器、医療機器など広範なマテリアルに及ぶ。Arch-LOGはBIMアプリケーションとダイレクトに連携しているため、オブジェクトの検索や素材の選択、BIMに取り込む手間、サンプル依頼、マテリアルボードの作成に至るまで、全ての工程を省力化できる。高精細なレンダリング機能を活用してArch-LOG上にパース(透視図)を作成することもできるので、関係者間の意思決定もスムーズになる。
BIMの活用・推進においては、BIMオブジェクトの整備が急務だ。特に設計から施工までBIMを一貫して利用するには、モデルの詳細度に応じた適切なBIMオブジェクトの拡充がプロジェクト進行の鍵となる。しかし、業界全体でBIMの活用領域が拡大していく中、大林組だけでBIMオブジェクトを整備するには限界があった。Arch-LOGは、今後増大し続けるBIMオブジェクトを集約、管理するプラットフォームとして機能することになる。
より強固なプラットフォームを構築するため、今後はまず設計部門でArch-LOGを積極活用し、BIMオブジェクトを整備した後、プラットフォームの充実に合わせて施工部門も含めた全社への展開を図る。さらに他の設計事務所や建設会社、建材メーカーにBIMオブジェクト整備への参加を促すことで、建物のモデル化を促進させ、デジタルトランスフォーメーションを積極的に進めていきたい考えだ。
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