カーボンマイナスを目指す実証オフィスの運用を開始、戸田建設:リノベ
戸田建設は、同社が茨城県つくば市で保有する環境技術実証棟の改修工事を完了し、「グリーンオフィス棟」としてリニューアルした。今後は、グリーンオフィス棟を運用しつつCO2排出量の削減に取り組むと同時に、技術的な検証も行い、顧客に提供する施設の開発に生かしていく。
戸田建設は、茨城県つくば市で計画を進めていた環境技術実証棟のリニューアル工事を完了し、省エネルギーでCO2排出量の削減を推進する「グリーンオフィス棟」として2021年8月に運用を開始したことを同月30日に発表した。
内外装には緑化や木質材料を採用
国内と海外では、地球温暖化対策として、CO2に代表される温室効果ガスの排出抑制が望まれていることを踏まえ、戸田建設では、建設工事によるCO2排出量を、2050年までに1990年比で80%削減することを目標に掲げている。
加えて、2017年に、は筑波技術研究所内に環境技術実証棟を整備し、多様な環境技術の実証を行い、建物の省エネルギー化とCO2排出量の削減にも取り組んできた。同社は、さらなる省エネ化とCO2排出量のカットを目的に、環境技術実証棟をリニューアルし、グリーンオフィス棟とした。
グリーンオフィス棟は、研究スタッフが利用する次世代型オフィスとして運用され、新しい働き方への対応なども考慮した室内環境を実現している。建物には、タスクアンビエント空調、自然換気、AI制御といった多くの省エネルギー技術や太陽光発電、地中熱利用などの再生可能エネルギーを採用した。そして、建築物省エネルギー性能表示制度「BELS」に基づく第三者認証により『ZEB』の認証を取得し、環境省の補助金事業としても採択されている。
内外装には、CO2の吸収と固定化によるCO2削減効果が期待できる緑化や木質材料を採用するとともに、新たに拡張したビオトープなどの外構も含めて、施設の改修、運用、廃棄のライフサイクルでCO2収支をマイナスとすることを目指している。
グリーンオフィス棟の概要
グリーンオフィス棟は、RC造地上2階建てで、延べ床面積は約674平方メートル。主な用途は事務所。改修の工期は2020年10月〜2021年5月。
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