mixpaceに「BIM 360」との連携機能、大容量BIMモデルでもそのままAR変換:BIM×AR/MR
SB C&Sとホロラボは、BIMモデルをAR/MRデータに変換するサービス「mixpace」に、BIM 360との連携機能を追加した。双方の連携により、BIM 360上に保存されているRevitで作成した大型サイズのBIMモデルを、以前のように、その都度ダウンロードしてアップロードすることなく、mixpace上だけでAR/VR変換までが完結する。
SB C&Sとホロラボは、ホロラボが開発してSB C&Sが販売する3D CAD/BIM・3D CGファイルのAR/MR化ソリューション「mixpace(ミクスペース)」に、オートデスクの建設業向け施工管理クラウドサービス「Autodesk BIM 360(BIM 360)」との連携機能のβ版を追加搭載し、2021年10月13日から提供を開始した。
BIM 360上のBIMモデルをシームレスにAR/MR活用
mixpaceそのものは、手軽に3D CADやBIMで作成したデータをHoloLens 2などのAR/MR対応デバイスで視認するための3Dモデルに変換するWebサービスとデバイス専用アプリで構成。従来、手作業で何日も要していたAR/MRデータへの変換作業が最短1〜2分で自動的に完了するため、建設業界でのAR/MR活用の幅を広げるソリューションとして、工事現場や設計のプレゼンテーションなどで広く導入が進んでいる。
一方のBIM 360は、建築・土木・設備業界を対象としたプロジェクトの納品や施工管理のためのクラウドプラットフォーム。
今回、BIM 360に格納されているBIMモデルを直接、mixpaceに取り込むことができる機能を開発した。これにより、BIM 360上で管理されているBIMモデルをシームレスにAR/MR化して、各種対応デバイスで見ることが可能になる。
また、複雑な3Dモデルをリアルタイムでレンダリング(演算処理)するMicrosoftのクラウドサービス「Azure Remote Rendering」とホロラボのmixpaceを組み合わせた「mixpace Remote Rendering」のオプションを併用すれば、数千万から1億ポリゴンクラスの大容量3Dモデルでも、BIM 360から直にデータを取り込んでクラウド上でデータ変換できるようになる。
なお、BIM 360連携機能の利用には、「mixpaceのStandard + R(Revit対応)」プランの参考価格で年額138万円(税別)の契約が必要。β版を搭載した新バージョンは要望に合わせて、ユーザー環境へ順次実装し、2021年内には正式にリリースする予定だという。
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