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電力線でネット環境を構築、規制緩和で名大学生寮や地下駐車場などにも導入が広がるパナソニックの「HD-PLC」:LANやWi-Fiよりも低コストで施工可(4/4 ページ)
HD-PLCは、電力線を使った通信技術で、既設の電気線に高周波化したデータを乗せて通信を行う。2021年6月30日には、HD-PLCの利用に関する電波法が改正されたことで、これまでは導入が難しいとされていた工場などの大型施設や地下駐車場へも、従来よりもコストを抑えた形でネット環境を整備することが可能になった。
■ネットワーク設備のない牛舎への設置
IoTの利用は、今や社会のさまざまな産業に及び、なかでも、農業や畜産業は、製造業と並び、IoT化による恩恵が注目されている分野だ。背景には、両業界での就業者の高齢化がある。
また、昨今の畜産業では、一頭ごとの牛にIoTセンサーを取り付け、行動や健康などの管理を行っている。そのために、牛舎内には牛に取り付けたIoT機器からのデータを受信する機器や複数の牛舎と管理事務所をつなぐ回線が必要とされている。
農場(牛舎)のIoT化例では、牛舎内に設置された換気扇の電気系統に、HD-PLCアダプターを接続。HD-PLCアダプターとIoTのレシーバー間のLAN配線は、必要最小限としているので、通線のために穴をあける工事も要らなくなったという。
パナソニック ライフソリューションズ社では、HD-PLCの概要説明や導入事例をまとめたWebサイトを公開している。ネットワーク環境の整備で課題を抱えている施主への提案の1つとして、コストを抑え、短期間でネットワークの環境が整備できる既設の電源線を活用したHD-PLCを検討してみるのはいいかもしれない。
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