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2020年度に“グローバルシェアトップ”パナソニックの次なる換気事業戦略、中国とベトナムに製販一体の新工場稼働ニューノーマルを勝ち抜く事業戦略(2/3 ページ)

パナソニック エコシステムズは、1928年に換気扇の生産を開始して以降、国内外で換気事業を展開し、2020年度には換気扇の台数ベースでグローバルシェアNo.1に至った。現在はコロナ禍での換気ニーズも後押しし、中国や東南アジアの旺盛な需要に応じるべく、生産拠点を強化するなど、次の100年を見据えた事業戦略を展開している。

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小笠原社長「2025年度にはIAQの換気事業で1000億円超を目指す」


パナソニック エコシステムズ 代表取締役社長 小笠原卓氏(パナソニック ライフソリューションズ社 常務取締役)

 2020年代からの換気事業での事業方針は、人が人生を過ごす時間の約9割が住宅や職場などの「建物内(Indoor)」で、人が採り入れる物質の大半は「空気(Air)」のため、生活環境と空気の「品質(Quality)」が必然的に求められることにより注力。

 「(パナソニック本体の)空調冷熱ソリューションズ事業部が担う温度を含め、気流、湿度、清浄度の空質4要素に、プラスαで脱臭、除菌、香りの感性3要素も加え、今の時代が抱える健康寿命延伸や労働生産性の向上、新型コロナウイルスのようなパンデミックにも対応する熱交換気の全体換気+空調システムの連携で、パナソニック ライフソリューションズ社の持つハウスメーカーなどとのつながりも生かし、空質と感性で構成する最適な換気提供を目標としている」(小笠原卓氏)。


IAQの概要。品質で求められる空質4要素+感性3要素 提供:パナソニック エコシステムズ

 足元の市場見通しでは、2021年度も新型コロナの影響は残り、感染経路で重視されている5マイクロメートル以下のエアロゾルによる空気感染などの危険性を受け、換気・除菌・衛生の要請が世界中で増え、換気設備のマーケットは回復基調に持ち直すとみている。

 エリア戦略では、国ごとの住宅性能や寒暖差、経済力、空気の汚れ(PM2.5濃度)といった地域特性に合わせた段階的レベルを設定。扇風機・天井扇による送風(レベル1)、扇風機・天井扇による送風+RACによる冷風(レベル2)、換気扇による換気+空調機による冷暖(レベル3)、熱交換気による換気にプラスして機器制御による空室要素+感性要素の最適化(レベル4)で、それぞれ国・地域ごとに換気製品の提案をしていく。

 具体的には、レベル4に相当する空質4要素+感性3要素でのソリューション創出を狙う日本、北米、中国、欧州の“A地域”と、レベル2〜3にあたるまずは換気の啓発から、その先に事業創出・定着を図るインド、東南アジア、豪州、香港などの“B地域”の2エリアにターゲットを区分している。製品展開では、A地域で熱交換気、高性能設備のシステム商材を拡充し、B地域では換気扇の量産体制を進め、「2020年度の換気事業の売上750億円に対して、2025年度には1000億円超の3割増を目標としている」(小笠原卓氏)。


換気の歴史とIAQレベル「住宅性能の変化や経済力の向上により進化」 提供:パナソニック エコシステムズ

 その一環で、A地域の中国では2021年8月11日に「順徳第一分工場」を稼働し、一方のB地域では「ベトナム新工場」を2021年10月13日から運用を開始する。

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