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球体ドローン「ELIOS 2」のデモと、独自プラットフォームで運用する“送電線点検”など4用途のドローンシステムを訴求Japan Drone2021(2/2 ページ)

「Japan Drone2021」でブルーイノベーションは、「ELIOS 2」の機体の展示と合わせて、プラントをイメージした模型内部でのデモ飛行を行った。他にも、独自開発したプラットフォームBEP(Blue Earth Platform)をベースに、「送電線点検」「工場内自動点検」「倉庫内在庫管理」「災害用物流」の4用途に応じるドローンサービスについて、パネル解説とそれぞれに使用する機体を紹介した。

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ELIOS 2の性能をさらに引き出す解析ソフト

 今回、機体と同時に出品されていたのが、2021年6月7日にリリースしたELIOS 2専用解析ソフト「Inseptor3.0」。機体のメディア(SDカード)に記録された撮影データと飛行ログを取り込むことで、3D点群マップの作成や飛行ルートの表示が可能だ。3D点群マップ上に表示される飛行ルートの軌跡に沿って、撮影したポイントごとで映像を再生できるため、より詳細な現場状況の把握や点検の際に位置特定に役立つ。


ELIOS 2専用解析ソフト「Inseptor3.0」の操作画面。3D点群マップ上の飛行経路に沿って撮影映像を表示

 Inseptor3.0には、旧バージョン「Inseptor2.0」にあったクラックの長さや腐食の大きさなどを2D計測する機能も継承している。他にも、点検データのアーカイブやレポート出力といった機能もあり、データの一元管理や他社製のソフトと組み合わせることにも応じられる。

独自プラットフォームで運用する4つの用途のドローンシステム

 ブースでは、ブルーイノベーションが開発した「BEP(Blue Earth Platform)」をベースにした4つの用途向けのドローンシステム「送電線点検」「工場内自動点検」「倉庫内在庫管理」「災害用物流」と、それぞれに使用するドローンを展示。BEPとは同社によると、「複数のドローンやロボットと、それらに搭載したセンサーやカメラを同時に制御・管理することで、複数のドローンやロボットに任意の業務を自動遂行させることができる」プラットフォームとの位置付け。

 4つのシステムのうち送電線点検システム(BEPライン)は、東京電力ホールディングス、テプコシステムズと共同で開発したインフラ点検サービス。これまでにもドローンによる送電線の点検は行われてきたが、電線から生じる磁界の影響を受け、飛行中に方角を正しく認識できなくなったり、電線ごとに異なるたわみの形状を事前に予測してルートを設定することが困難だったりといった諸課題が存在した。

 そこで3社は、BEPをベースに、対象物検知センサー技術、ドローンと送電線との距離を一定に保ち飛行する技術、送電線をぶれなく撮影する振動制御技術、送電線撮影に特化したアプリケーションをそれぞれ開発。自動飛行で、電線のたわみに追従しながら撮影するサービスを実現した。既に2021年6月より、東京電力パワーグリッドの送電線点検業務に導入されている。


ドローン上部に取り付けられた送電線の検知および機体・振動の制御を行うモジュール

 一方、工場内自動点検システム(BEPインスペクション)は、ドローンに京セラ製デバイス「5Gコネクティングデバイス」を積んで、工場内を巡回することにより、データを自動取得してBEP上で点検結果を管理するシステムである。

 倉庫内在庫管理システム(BEPインベントリー)は、棚卸し作業の効率化を目的にトッパンフォームズと共同開発したドローンサービス。トッパンフォームズのRFIDリーダーを装備したドローンを倉庫内に巡回させ、ICタグを付けた高所の管理対象物のデータを自動取得する。低い位置にある管理対象物は、既存の無人搬送車(automated guided vehicle:AGV)のRFIDリーダーで取得し、BEP上で統合・管理するイメージだ。


機体下部にRFIDリーダーを搭載したドローン

 4つ目の災害用物流システム(BEPポート)は、東京大学、国土交通省とともに研究開発した被災地での安全な離着陸を実現するドローンポートシステム。通信機能のある可搬式のドローンポートを使って、被災箇所または避難所の位置情報を取得しつつ、必要物資などの情報共有も行い、ドローンの飛行申請から自動発着・運航までをBEPで一元管理する。2021年3月には、大分県日田市中津江村で災害用物流システムを用いた実証実験が行われている。


機体の下に敷かれたArUcoマーカーが印刷されたシートがドローンポート

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