ドローン開発を加速させる「福島ロボットテストフィールド」の有用性を訴求、田中前復興相:Japan Drone2020(1/2 ページ)
国際的なドローン展示会「Japan Drone2020」で、田中和徳前復興大臣が登壇し、2020年10月22日に開所したドローン・ロボットのオープンな実験場「福島ロボットテストフィールド」の存在意義について有用性を説いた。
日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は2020年9月29日〜30日、千葉市美浜区の幕張メッセで「Japan Drone2020」を開催した。会場で繰り広げられた多彩な講演の中から、9月30日に衆議院議員 田中和徳氏を招いた特別招待講演を紹介する。
演題は、「新しい時代に向けたドローンの利活用推進〜福島ロボットテストフィールドについて〜」。講演では、前復興大臣と同時に、無人航空機普及・利用促進議員連盟の会長代理としての立場から、今後ドローンの利用が期待される分野と産業の発展に向けてどのような課題があるかを示した。また、ドローン実験場「福島ロボットテストフィールド(RTF)」の役割についても説明した。
地方での物流網の維持など、市場規模は5年で4.5倍に増大
今回の講演で、田中氏が語ったドローンに関するセンテンスは以下の6つだ。
・ドローンの活躍が期待される分野と産業の発展に向けた課題
・航空法改正による有人地帯での目視外飛行の実現
・福島イノベーションコースト構想と福島ロボットテストフィールド
・福島ロボットテストフィールドと産業集積の現状
・福島ロボットテストフィールドとドローンに関する規制緩和
・Japan Drone2020を通じた関係者の連携強化への期待
田中氏は、日本においてドローンが広く知られるようになったきっかけとして、2015年4月に首相官邸の屋上で落下した機体が発見された事件を挙げた。以降、規制の法制化などを経て、幅広い分野で活用が期待されるようになったとした。
現在ドローンが活用されている分野は、農業、空撮、点検、測量など。今後は、物流をはじめ、災害対応、警備などでも活用が見込まれていると語った。さらに、市場規模は5年間で、現状の995億円から4426億円へと約4.5倍に拡大するとの予測を示した。
とくに地方における物流網の維持に関して、ドローンが果たす役割は大きい。2020年度では1%しかない物流関連が、2025年には18%まで伸びると予測されているという。
田中氏は、物流分野でドローンが普及するには、「有人地帯での目視外飛行(レベル4)の実現」「研究開発の加速化」「関係者の連携強化」の3点が不可欠とした。
このうち有人地帯での目視外飛行(レベル4)の実現には、安全な飛行ルールの整備が大前提となる。田中氏は、2022年度にこうした飛行形態が可能となるよう、政府が機体の安全性確保などに関する法整度の準備を進めていることを説明した。
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