横浜市で延べ9万m2超えの物流施設が着工、大和ハウス工業:プロジェクト
大和ハウス工業は、神奈川県横浜市都筑区で、マルチテナント型物流施設「DPL新横浜II」の開発を進めている。今回開発する「DPL新横浜II」は、2020年7月に着工した「DPL新横浜I」の隣接地に位置している。
大和ハウス工業は、神奈川県横浜市都筑区で、マルチテナント型物流施設「DPL新横浜II」が着工したことを2021年5月13日に発表し、現在工事を進めている。
トラックの入場予約システムとオンラインチェックインシステムを導入
計画地は、第三京浜道路「港北インターチェンジ」の出口から約450メートルの場所にあり、2020年3月に「首都高神奈川7号横浜北西線」が開通したことで、「横浜港北ジャンクション」から東名高速道路や首都圏中央連絡自動車道(圏央道)にもアクセスしやすく、都心だけではなく、東日本全域や東海地方にも荷物を配送しやすいエリアにある。
DPL新横浜IIは、最大10テナントの入居が可能で、約7400平方メートルの区画からの入居に応じる。各区画には事務所を設置することができ、テナント企業の多様なニーズに対応する。特殊車両である45フィートコンテナ車が各階に直接乗り入れられるように、らせん状のランプウェイ2基(ダブルランプウェイ)を採用し、施設全体で135台分のトラックバースも備える。トラックの入場予約システムとオンラインチェックインシステムも導入する。
トラックの入場予約システムは、トラックドライバーや運送企業が、トラックバースの予約をWeb上で行うシステム。このシステムを利用することで、物流施設の入居テナント企業は、施設内作業や物資の移動計画が立てやすく、物流施設の運営効率を高められる。トラックドライバーも平均荷待ち時間をこれまでと比較して約70%(59分)減らせる。
オンラインチェックインシステムは、トラックが物流施設から一定の半径内に入った際に、トラックドライバーが携帯電話から物流施設への入退場受付を登録するシステム。メリットには、トラックバースへの接車前後の時間ロスを削減し、施設内の業務効率を上げられ、トラックドライバーの作業時間を約10%低減する点がある。
施設内には、マテハン機器などの消費電力量が大きい機器を導入しやすくするために、特別高圧受変電設備も完備する。また、テナント企業に所属する従業員の労働環境を整備する目的で、従業員専用の保育施設やカフェテリア、無人コンビニエンスストア、休憩スペースも設ける。
さらに、建物が、JR横浜線・横浜市営地下鉄「新横浜駅」から約3キロで、従業員が自家用車や自転車、電車でも通勤しやすい場所に位置している点を踏まえるとともに、従業員が約540人雇用されることを想定し、普通乗用車約290台分の駐車場と自転車約86台分の駐輪場も用意する。
BCP対策としては、万が一地震が発生しても荷物や設備のダメージを最小限に抑え、建物の機能を維持する免震システムを導入する。
DPL新横浜IIの概要
DPL新横浜IIは、免震構造のPCa・PC造地上5階建てで、延床面積は9万8591.33平方メートル。所在地は神奈川県横浜市都筑区川向町字南耕地386他で、敷地面積は4万1273.44平方メートル。賃貸面積は7万7324.23平方メートルで、1フロアの賃貸面積は約1万4800平方メートル。設計・施工は錢高組が担当し、竣工は2022年10月31日で、入居は2022年11月1日を予定している。
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