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50坪以下の貸店舗、募集物件数は“前年比+61.2%”と大幅増!飲食店可物件が増加〜東京〜不動産市場の「今」を知る――アットホームラボ調査レポート(3)(2/2 ページ)

東京都などの緊急事態宣言は解除見通しながら、人の流れを抑える動きは依然続いています。対象地域の飲食店が嘆く姿を報道で目にしたり、繁華街で空き店舗を見掛けることも多いのではないでしょうか。そこで今回は、アットホームが先日公表した「50坪以下の貸店舗の募集動向」から、2020年下期(2020年10月〜2021年3月:以下、今期)の状況を詳しく見ていきます。

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飲食店の退去増により募集物件に占める割合も増加

 次に、貸店舗の募集物件数の変化を見ていきます。2018年上期を基準(100)とした募集物件数指数は、2020年上期(4〜9月)から急激に上昇し、今期は148.6にまで上がりました。前年同期比も+61.2%と大幅に増加しています。もちろんこれは、コロナ禍の影響を受けた解約による空室増がかなりの割合を占めているといってよいでしょう。

 ここで、募集物件に占める「飲食店の割合」に注目してみましょう。募集物件全体に占める飲食店可の物件の割合は、2018年上期には42.5%でした。それが徐々に増え、2020年上期には50.9%と半数を超えました。これは、報道でも言われている通り、コロナ禍で苦境に見舞われた飲食店の退去が増加したことが影響しています。不動産店からも「飲食店の解約が増えて、新規申し込みも入りにくくなった(渋谷区)」といった声が多く聞かれました。

 一方で、この状況を好機と捉え、「好条件の物件が募集に出ている今だからこそ飲食店用の店舗を探している方が増えた(新宿区)」といった声もあります。現に、アットホームが運営する検索サイトでは、貸店舗の問合せ数が前年比240%と急増しています※3。また、「店先販売できる飲食店舗のニーズが増えてきた(中央区)」といった店内飲食にこだわらないスタイルも出てきました。

※3 出典:「不動産情報サイト アットホーム」 2021年4月の貸店舗問合せ数(飲食店以外も含む)

 コロナが収束するまで、貸店舗の空室増が続く可能性は高いとみています。しかし、その中でどんな変化やニーズが生まれるのか、今後も注視していきたいと思っています。

著者Profile

磐前 淳子/Junko Iwasaki

アットホームに入社後、営業職・企画職などに従事。2019年5月、アットホームのAI開発・データ分析部門より独立発足したアットホームラボの設立に伴い、データマーケティング部 部長に就任する。現職では、不動産市場動向や業況の分析などを担当し、各種レポートの公表や講演・執筆などを行う。

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