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木質構造建築物の多様性と可能性:CLTの導入によって拓かれる未来木の未来と可能性 ―素材・構法の発展と文化―(3)(2/3 ページ)

本連載では、一級建築士事務所 鍋野友哉アトリエ/TMYAを主宰する一級建築士の鍋野友哉氏が、近年環境に優しいなどの理由で関心を集める木材にスポットライトを当て、国内と世界における木造建築の歴史や最新の木造建築事例、木材を用いた構法などを紹介する。連載第3回となる今回は、CLTの活用事例を採り上げる。

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「CLTプラットフォーム軸組構法」を採り入れた「伊奈の家」

 くりばやし整骨院で使用した跳ね出しの考え方を発展させた作例が、2016年に埼玉県で竣工した「伊奈の家」(写真2-1,2)です。伊奈の家では、2方向に対して一間の跳ね出しを実現しました。都市部では、土地をなるべく有効活用しようとする時、キャンチレバーのように跳ね出す計画がとても魅力的となるケースがあります。伊奈の家でも、1階と2階の軸組間にCLTを挟み込む「CLTプラットフォーム軸組構法」を用いることで、東側の跳ね出し下を駐車場とし、北側の跳ね出し下を玄関ポーチとして活用することを実現しました。


写真2-1 「伊奈の家」の外観

写真2-2 「伊奈の家」の内観。プラットフォーム断面を見せた吹抜け空間

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