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発注者のニーズを知り、要求条件をまとめる(上)−利用者満足度調査・POEとは−いまさら聞けない建築関係者のためのFM入門(11)(2/3 ページ)

本連載は、「建築関係者のためのFM入門」と題し、日本ファシリティマネジメント協会 専務理事 成田一郎氏が、ファシリティマネジメント(FM)に関して多角的な視点から、建築関係者に向けてFMの現在地と未来について明らかにしていく。今回は、FMを実践する上では欠かせない手法「POE」について、その重要性を説く。

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聞く手法「評価グリッド法」とは

 人の話をいかにスムーズに聞くかという課題と、それをPOEの手法として利用できないかと考え続けた結果、たどり着いたのが日本建築学会などでは「評価グリッド法」と呼ぶ手法である。これは東京工業大学 名誉教授 乾正雄研究室の讃井純一郎(現・関東学院大学教授)らによって1986年に開発されたインタビュー調査手法で、臨床心理学の分野で治療を目的に開発された面接手法(レパートリーグリッド法)をベースに改良発展させたものである。

 私たちは、これらをベースに、ゲーム感覚を取り入れて楽しく実践できるような手法を構築した。その手法をここでは、登録商標の関係もあるので、「一対比較インタビュー法」と呼称する。ここでその概要を紹介しよう。この手法は時代に関係なく、容易に人の話を聞け、真のニーズを知ることができる手法である。

「一対比較インタビュー法」の進め方

 この手法には、まず心構えが必要である。表面的にビジネスライクに聞くのでは意味がない。「聞く」というよりは、「聴く」という姿勢で、しっかり相手の目を見て、あなたのお話を伺いたいという心を持って傾聴するのである。そのためには、多少の技術と訓練が必要となる。

 話を聴くときは、相手の話を素直に受け入れ、自分の考えは言わず、決して反論はしない。ただひたすらに、相手の意見や思いを受け止め、そして真剣に聴くのである。相手が不快になるようなことをしては、もちろんいけない。相手が気持ちよく集中して話せる場の雰囲気作りも欠かせない。

 手法は、一対比較法を利用する。オフィスの計画であれば、2つ以上(数例)のオフィスを比較してもらうことがポイントである。

 私たちは、1点から10点までの点数を書いたボード(A2〜A3サイズ程度)を準備して、その上に名刺大のカードに施設名などを記入してもらう。そして、順番をつけてもらい、その差について聴いていく。

 2つの差を比較しながら、違いについて、なぜその方が良い(あるいは悪い)のか、「理由や現状」をヒアリングする。そして最後に、あなたとしてはどのようにしたいと思うのか、その方の考える「改善策」を探る。

 この「理由」や「改善策」を聴く方法を「ラダーリング(はしごのぼり法)」という。この3つのステップをさりげなく、相手が気持ちよく答えられるように実施するわけだ。


一対比較インタビュー法の特徴

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