東急建設が開発した「土砂運搬」を最適化するGPSとシミュレーターのデジタルツイン:i-Construction
東急建設は、建設現場の土砂運搬プロセスを最適化するシミュレーターを開発した。既に実現場で適用し、以前GPSで取得したダンプの位置情報データを用いて、運搬計画をサイバー空間でシミュレーションし、現実と仮想のデジタルツインで土砂運搬の効率化を実現した。
東急建設とシミュレーションの開発・解析を行うベクトル総研は2021年1月28日、建設現場の土砂運搬プロセスを最適化する土砂運搬最適シミュレーターを開発したと公表した。
土砂積み込みから、運搬、積み降しまでの一連のフローを仮想空間に再現
土砂運搬最適シミュレーターは、建設現場の土砂運搬に特化したデジタルツインシステム。交通情報やダンプや重機に取り付けたGPSセンサーから取得した位置情報を活用することで、土砂の積み込みから、運搬、積み降しまでの一連のプロセスをサイバー空間上に再現し、最適な運搬計画を立案するためシミュレートすることが可能になる。
近年、GPSセンサーによる位置情報は、比較的安価かつ容易に取得できることから、建設現場で稼働しているさまざまな建機に取り付け、位置や速度の情報をクラウドに蓄積して、現場の稼働状況を可視化するシステムが普及しつつある。
今般、土砂運搬最適シミュレーターに同様の情報を入力してシミュレーションを行うことで、建設現場内の土砂積み込み重機数の決定や運搬車両の最適な台数及び回数、土取場/土捨場までの最適ルート、発車間隔時間などを考慮した運搬計画の作成や現場へのコンサルティングサービスを提供することが実現した。
デジタルツインシステムの導入効果としては、最適な運搬計画を立案することで、土砂運搬プロセスの効率化に加え、待機する車両台数も予測し、建設現場周辺の渋滞回避・住環境への悪影響も低減する。
東急建設では既に、都市部のシールドやトンネル工事の2現場で実証を行い、シミュレーションと実績値の差異を確認している。今後も、実証を重ね、精度向上を図っていくとしている。
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