エプソンのCAD向け“プリンタ・スキャナー一体型”A0プラス機、0.88m2の省スペース設計:CAD・GIS
エプソンは、CAD・GIS向けにプリンタ・スキャナー一体型A0プラス対応の複合機と、ポスター印刷用途で国内初を謳うインクボトル方式のA1プラス対応機の2機種をリリースした。
エプソンは、大判インクジェットプリンタ「SureColor」シリーズの新商品として、プリンタとスキャナーが一体となったコンパクトなA0プラス対応4色大判複合機「SC-T5150M」を2021年3月に発売。併せて、A1ポスターが手軽に作成できるインクボトル方式の4色機「SC-T3150X」の販売も開始する。
CAD用途に適合した線画品質を実現
SC-T5150Mは、現行のエントリーモデルと位置付けるA1プラス複合機「SC-T3150M」にスキャナー機能が加わったモデル。プリンタとスキャナーの一体型でありながら、1平方メートルを切る0.88平方メートルというシングルロールモデルと同程度の設置面積を実現したコンパクトな複合機。
道路整備や土地改良など工事範囲の広いCAD図面やGISを用いた地図出力、図面をスキャンしてデータ・複製を必要とする地方自治体や限られたスペースでの設置ニーズが高い建設・土木の測量事務所に適する。用途としては、図面や地図の他、工事現場の看板・掲示物、文教向けに学校のイベント横断幕や垂れ幕、立て看板などにも活用が見込める。
スキャン・コピーの機能は、さまざまな形式のスキャンデータをWi-Fiを介して、フォルダやメールアドレス、USBメモリに送信して共有できる。暗号化PDFに応じ、セキュリティ対策も図られている。
ロール紙以外にも、A4やA3サイズの単票紙(普通紙で50枚)もセットでき、図面や書類の印刷・コピーなど、ビジネス複合機としても使える。ロール紙と単票紙は自動切り替えのためストレス要らず。
また、スキャン・コピー・出力でCAD用途に適合した線画品質で、ラウンド線や斜め線のガタツキ、文字つぶれの無いくっきりとした線画能力を有する。インクは、エプソン純正インク「UltraChrome XD2インク」で、水濡(ぬ)れや色あせに強い。
本体搭載の大型タッチパネルは、プリンタ操作をガイドしてくれるだけでなく、インク残量などプリンタの状態を表示。光学式のタッチパネルのため、手袋をしたままでも操作可能だという。
出力速度は、A1横サイズのCADプリントで約31秒、ランニングコスト換算だと約8円。コピーの場合は、A0でカラー約117秒、モノクロ約92秒。
スタンド無しの卓上モデル「SC-T3150X」、ポスター印刷向けで訴求
SC-T3150Xは、水性の大判プリンタ―として珍しくインクボトル方式を採用し、A1プラス出力に対応した販促物やポスターの印刷向けのスタンド無しエントリーモデル。
本体サイズは、970(幅)×245(高さ)×577(奥行き)ミリで、設置場所を選ばない省スペース設計のため、バックヤードスペースの少ない小売店やサービス業でも導入のハードルが低い。
ランニングコストを抑えたい要望に応え、顔料インク(黒)と染料インク(シアン、マゼンタ、イエロー)のインクボトルが各色1本3900円(税別)の価格設定で、A1ポスター1枚の印刷コストは約33円。
また、インク補充はボトルを挿すだけ、満タンになると自動でインク注入が止まるので、手が汚れにくく手間も掛からない。さらに、タンクとインクボトルの注入口の形状が色ごとに異なるため、入れ間違いも起きない。本体前面でインク量を直視できるため、インク残量を把握できる。
両機種ともプリンタの稼働情報やエラー状況などを可視化し、業務効率化を支援する「Epson Cloud Solution PORT」への対応が予定されている。Epson Cloud Solution PORTは、エプソンの大判インクジェットプリンタを活用するためのクラウドサービスのプラットフォーム。ユーザーのスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末に対応している。
2機種の製品価格は、SC-T5150Mが39万8000円、SC-T3150Xがエプソンダイレクトショップの販売価格で16万8000円(ともに税別)。
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